Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

アカバナー咲く in 浜松

2016年10月06日 | 家・わたくしごと

 わが家のベランダ庭園(といっても鉢植えの蘭がほとんど)の小さなアカバナーの苗が成長して、とうとう昨日、はじめて花をつけたのだった。アカバナーは一日花だから、昨日から蕾を注意深く見ていたのだ。ばっちり写真に収めることができた。もうちょっときれいな場所に移動させて、とも考えたがベランダで育てたアカバナーなので、やっぱり普段のベランダの雰囲気を生かした背景にした。
 アカバナーと書いたが、これは沖縄での名前、沖縄に赴任する以前はハイビスカスと呼んでいた。南国の花をイメージする方が多いのだろうか。もちろんこの花、東南アジア原産で、マレーシアでは国花である。日本には沖縄に最初に入って、17世紀初頭にこの花を島津藩が手に入れて徳川家康に献上したらしい。その後、日本国内に広がっていったという。江戸時代、ハイビスカスはそれはそれは珍しい花だったことだろう。
 ところでこの花、日本では仏桑華とよばれていることをご存じだろうか?なぜ「仏」なのか、かつて興味を持って調べたことがある。正直、この手の話は私の父が詳しい。かつて花についてHPを制作していたほどだし、なんといっても父の書斎には花の本が山のようにある。植物が大好きな父親なのである。(子供の頃、歩いては雑草の名前を覚えさせられて閉口したが、案外、そんな雑学が現在役立っている。)
 沖縄ではアカバナーは生垣によくつかわれる。今でも、死者の冥途での幸福を祈ってお墓の生垣などに植えられる。後生花(ぐそーばな)とも言われるが、これは「あの世の花」という意味。つまり、現在とは異なり、南国=沖縄=観光=パラダイス、という図式には組み込まれない花だったのだ。言い換えれば、死者と結びつく、かつては忌み嫌われる花だったともいえよう。本土ではハイビスカスは仏壇には供えない。仏教とハイビスカス、考えると実に面白い。そしてそんなヒントが自分が長年住んでいた沖縄にあることにも興味がわく。結局、私は父と同じ方向に興味があったということか…。