Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

みんなで撮れば怖くない

2018年04月16日 | 家・わたくしごと

 土曜日、久しぶりに息子と会うため渋谷に来た。浜松からだと品川で降りて山手線に乗れば、渋谷駅までならそれほど苦ではない。大事なのは最後の一文だ。渋谷駅までなら苦ではないのである。問題なのは渋谷駅に降り立った瞬間から、人の渦の中に巻き込まれ、そこから歩行するのがつらいのだ。
 思った通り、午後7時の渋谷は、それはもう言葉を絶するほどの賑わいで、わかってはいるもののたまに街に出てくる「おのぼりさん」には物珍しいを超え、相当につらい風景である。どうしてもハチ公前交差点を渡らなくてはならず、国際的観光名所となったその交差点で信号が青になるのをしばし待つ。このとき、交差点の向こう側を携帯や一眼レフで撮影する外国人観光客がいるわ、いるわ。ついでに自分や友達まで写ってしまおうと努力する方も多い。観光名所なんだからあたりまえである。ぼくらがイギリスのアビーロードスタジオの前の横断歩道で車の迷惑も省みず、写真を撮影するようなものである。
 じゃあ、ボクも撮影してみようかな、と携帯のシャッターを押した写真の一枚がこれ。昼間のように明るいネオン、道路の反対側に待つ人々の黒く不気味なかたまり。どうということもないだろうが、私にはかなりシュールである。誰も撮影していなければ、自分ひとりが写真を撮る勇気はないのだが、ぼくは数百分の1に過ぎないと思った瞬間、急に気持ちが大きくなってパチリ。まさにみんなで撮れば怖くない、である。そんなノリで、撮影禁止のコンサートを撮影されると困るのだが。