Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

沖縄そばの誘惑

2014年12月23日 | 家・わたくしごと
 クアラルンプールから戻ってすぐに浜松駅近くのスーパーに買い物に出た。海外に行く前はなるべく冷蔵庫の中は片付けてしまうから帰っても食べるものがないのである。スーパーに行くとなんと「沖縄フェア」をやっている。なんだかその誘惑に負け、そちらの方にずるずると引き寄せられたのだった。
 「沖縄そば売ってるじゃん!」そうなのである。沖縄そば、沖縄にいるときはそんなに食べたわけでもないが、やはり沖縄を離れると妙に懐かしい食べ物なのだ。「買っちゃおう!」とカゴに二食分入れてレジに持っていく。スープの素は、沖縄で買ったものがちゃんとストックされているのだ。
「560円です」
「えっ、これで560円ですか?」
「はい、スープ付きで一つ280円です。」
高くないかい?これで280円?思わず、こう答えてしまう。
「一つ返します。それで、スープなしでいいんですけど安くなります?」
いくらマレーシアから帰ってきたばかりだからといって、日本で値切るか?ところが言ってみるものである。ちょっと店員は考えた後こう言った。
「じゃあ50円引いて230円でいいですよ。」
それでも高い。一食分、沖縄そばが230円なんて那覇のスーパーじゃ考えられん!でもここは沖縄じゃない。インドネシアのものを日本で買っていると思えばいいんだ。いや、でも沖縄は日本じゃないか!と心の中で葛藤しつつ、
「じゃあ買います」
と誘惑に負けてしまったのだった。
 もちろん、これを大事に持ち帰り、もやしと肉を炒め、高麗辛子(コーレーグース)をたっぷりかけて、ランチとしていただいたのであった。とてもありがたく、上等な沖縄そばに舌鼓を打つ。ちなみにその作品、写真で撮り忘れている。詰めが甘い、とはまさにこのことである。
 

クアラルンプール出張(5)

2014年12月22日 | 
 最終日、会議が終わりホテルに戻ってから4時間程度の自由時間がとれた。そこで行きたかったイスラム・アート・ミュージアムにモノレールと電車を乗り継いで一人で行ってみることにした。イスラムに特別興味があるというわけではないのだが、その芸術には魅了されるものがある。とくに不思議なアラベスク模様などは結構お気に入りだ。モノレールも電車も乗るのは初めてだが、だいたい現地の人がどうやって買っているのか眺めてから購入。どちらもとても乗り心地がいい。
 写真はミュージアムの正面から撮影したもの。大モスクに隣接されたミュージアムは、やはり期待を裏切らなかった。世界中のモスクの形態の多様性から始まり(特に中国のモスクはまるで中国寺院だった)、金属工芸、織物、武器、タイルなどなど、さまざまなイスラムアートがゆったりと見れるように展示されている。建物も、まるでモスクの中にいるような作りになっている。さすがである。
 このミュージアム、驚いたのはミュージアムショップの充実ぶりだ。もちろん素敵なカフェも併設。これ、本当にインドネシアの隣国なんだろうかと目を疑ってしまう。時間がないのでこのミュージアムと近くのセントラルマーケットをちら見してホテルに戻る。時間を気にしながら、急ぎ足で移動したせいか、ホテルに戻ったら汗びっしょりだった。なんだか、暖房の中でこんなことを書いているのが夢物語みたいな気がする。汗?えっ?
 

クアラルンプール出張(4)

2014年12月21日 | 
 マレーシアで目につくのは日本語を冠した看板である。バスやモノレールの窓から意味不明なものや、日本にもありがちな日本語が店名やビル名に冠されている。聞くところによると、この日本語名称は「高級」とか「ハイセンス」とか、そんなイメージでついているようで、何ら、その言葉の意味とは関係がないらしい。
 この写真の店は「北海道」である。漢字、アルファベットの両方で表記されている。日本人なら「北海道」と書いてある飲食店を見れば、北海道名物(ふつうなら、海産物などをイメージするのだろう)を食べさせる店と考える。ところがこの店、普通のマレー系の中華料理であり、北海道とは全く関係がない。SEA FOODと書かれてはいるが、すべて東南アジアの海で獲れたものだ。イクラ、タラバガニなんてあるはずもない。
 初日の夜、この店で夕食をとった。さて「高級」で「ハイセンス」だったかといえば、インドネシアの中華料理に慣れている私からすると、そこそこ「上等」な感じがしたのだが、同席の日本人はだれもそんな風には思わなかったようである。東南アジアにいったことがない日本人ならば当然だろう。ちなみに、値段だけは一人2000円くらいして、しっかり「高級」であった。だから日本語の店名が付けられているんだろうか?

クアラルンプール出張(3)

2014年12月20日 | 
 クアラルンプールは今、開発バブルである。日本の高度成長期のように、古い建物が次々に政府系企業により買収され、道路、ビルなどが作られている。その状況はすさまじく、モノレールの窓からは、建築中の高層ビルの横に建てられた巨大なクレーンを途切れることなく見ることができるほどだ。
 街の人々はこの状況を「マッシュルーム現象」とよぶ。ビルを「マッシュルーム」に例えているのだ。あちこちにニョキニョキと生えてくるマッシュルーム。「松茸」と言ってくれると多少はありがたみを感じるものだが。
 立ち退きを迫られる人々会い、集落のいくつか廻った。人々は力をもってしても権力に逆らえないことを知っている。そんな人々が一体となって、今「アート」に取り組んでいる。バラバラになりかけた人々がコミュニティーの中で、その人々とともにアートを創造し、共有し、再び連帯していく。高層ビルに取り囲まれるクアラルンプールの集落のソフトパワーに感動する。

クアラルンプール出張(2)

2014年12月19日 | 
 結局、滞在中に書いたブログは一件だけで、もう帰国してしまった。3泊の会議出張だからブログを書く時間も、正直、最後は疲れてその気力もなかったというのが正直なところである。
 インドネシア風景には慣れているのだが、マレーシアは言葉こそ同じマレー系の言語であるにせよ、街の見かけはやはり違う。マレー系、中華系、インド系という異なる民族により構成されているというところで、風景、音、香りと変わってくるものだ。大都市であるクアラルンプールとジャカルタを比べれば一目瞭然である。当たり前だがこぎれいなシンガポールをよりディープにした感じか。
 インドネシアで漢字の看板が許されたのはスハルト政権崩壊後だから、まだ10年ちょっとであるが、マレーシアでは漢字表記はふつうだし、マレー系、インド系、中華系が一見すれば「なかよく」共存しているように見える。しかし、実はそうでもないのだ。マレーシアの国家的なイスラム化や、マレー民族優遇は、さまざまなところで姿をのぞかせる。そうした現場を訪れるたびに複雑な気持ちになる。
 それにしても、今回の出張でこたえたのは日本とマレーシアの温度差か。これまでそれほど感じたことがなかったのだが、特に日本に帰国してから体内体温計が狂ってしまっている。火曜日からインドネシア出張なのだが、さて僕の体内時計はどうなっちゃうんだろうか?
 

クアラルンプール出張(1)

2014年12月15日 | 
 出張で昨日からクアラルンプールに来ている。インドネシアに近いし、正直なところ外国に来た新鮮味というのはないのだが、食堂を覗くと、インド系、マレー系、中華系とにぎやかにならんでいて、当たり前だがシンガポールを彷彿とさせる。それにジャカルタに比べると街がきれいだ。思ったより暑くない。やはり緯度が高いせいだろうか?
 3日間だけの滞在でほとんどがコンベンションホールや大学での会議で終わるが、やっぱり楽しみなのは食事。昨晩は無難に中華系だった(海外出張の多い弟が太るのも理解できる)。まあほとんど会議での食事なんだろうが、夜は外に出歩いて食堂を体験してみようと思う。
 とはいえ、まずは自分が今、クアラルンプールのどこにいるのか知るのが先。車で来たので位置がわからない。いけない、いけない。
(写真は宿泊したホテルの部屋(16階)の窓から撮影した風景。なんとなく、浜松のマンションから見る風景を彷彿させるのであった。)

ありがとうございました

2014年12月10日 | ワヤン上演
 先週の金曜日、土曜日と恒例の渋谷光塾でのワヤン公演、無事、終了いたしました。いらして下さった方、ご協力くださった方、本当にありがとうございました。スタソーマ物語の後半の本格的上演は初めてでしたが、2015年は、この物語をメインにして日本各地で上演していきたいと思います。ちなみに1月は神戸、2月は沖縄、3月は富山と公演が続きます。
 今回からデレムは、習いたてのジャウク・マニスを上演始めました。まだまだ試行錯誤です。バリスと違って、テンポの緩急が激しく、なかなか口クンダンも難しいのですが、家でのんびりしているときに、カパカパ・カパカパカパトゥデドゥ…と練習してます。1年間、上演し続けるともっともっと上達するかもしれません。ちなみにジャウクの爪は、ペットボトルのまわりのうすいプラスチックの印刷物です。あれが、とても爪っぽくてバグースでした。
 今週末からマレーシアで会議、その後一旦帰国してから再びインドネシアで仕事。30日に成田に戻って、そこから冬休みです。ちなみに30日は今年最後のワヤン練習と北京ダック付き(のはず)の大忘年会が待ってます。ちなみにこれが私の唯一の忘年会です。

ありがとうございました

2014年12月02日 | 浜松・静岡
 先週土曜日、楽器博物館でのガムラン・アンクルンの公演が終わりました。学生たちが今できる最高の演奏を披露できたと思っています。勉強、アルバイトに忙しい学生たち、大学に入って初めて挑戦する音楽に対して、熱意をもって取り組んでいます。浜松の音楽シーンに新しいジャンルが加わるかしら?
 さて、この舞台に静岡、名古屋から来て下さった演奏者(1名はゲストプレーヤー)が演奏前日、わが家に宿泊しました。写真はお二人からいただいたお菓子。ありがとうございました。夜、遅くまでいろいろな話ができて楽しかった…。なんだか学生時代にもどったような感覚でした。
 今週末は2日間、東京で自分のワヤンの公演です。これで今年の公演はすべて終わり。次の週はマレーシアで会議。その次の週はインドネシア。なんだか師走の文字通り、全速力で走るように12月が終わりそうです。久しぶりに行く年来る年は東京で迎えます。