社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

『エピキュリアスなエンド・オブ・ライフケアを実現するALS「人工呼吸器による緩和ケア」にむけて』 

2009-11-11 22:23:17 | その他
川口有美子『第14回 日本緩和医療学会学術大会 発表要旨』(2009)より

エピキュリアスという言葉を初めて知った。辞書やネットでヒットせず。詳細の意味は不明。

昨今、議論の深まりを見せている「緩和ケア」について、ALS患者については現状の解釈のままでは適応しにくい。この点についての議論の深まりを期待しつつ、わが国におけるALS患者の現状、及び諸外国の動向(尊厳死にまつわる法律を絡めて)も報告している。

引用
・わが国のALS患者のおよそ3割が人工呼吸器を装着している
・治療や障害、生活に対する不安を取り除くことは、複数の専門職、非専門職が多方面から支援を行う緩和ケアにおいてできるが、家族の負担を取り除くには、介護保障の確立という政治的介入が必要になってくる。
・わが国における「緩和ケア」の概念は、主として終末期のがん患者を対象とするエンド・オブ・ライフケアを指す概念として了解されてきた人工呼吸器による長期療養を前提としたケアではない。


呼吸筋マヒの進行→人工呼吸器装着の選択→装着を希望しない=終末期?!…ゆえに緩和ケアの対象?

兼ねてから「緩和ケア=がん末期患者」という括りに違和感を抱いていたが、この報告を読み、ますますその思いが強くなった。
疾病…まして余命によってケアが限定され、それが専門特化されるのではなく、色んな解釈があったとしても、それは多くの人に対して用いられることを望む。

たとえ余命宣告を受けていなくても、事故で数日後に命をおとせば、今この瞬間はさかのぼれば「終末期」であっただろう。
「終末期だから特別なのか?誰にとっても、一日一日は大切で、重んじられるべきでしょう」と言った、恩師の言葉を思い出した。

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