葬儀社によるグリーフケアの実践を紹介、ならびにグリーフケアの概説も記されている。
分かち合いの会、見守りコール、食事をつくる会、講演会などなど、一葬儀社の取り組みであるのも関わらず、その方法は多様である。組織でグリーフケアに取り組もうとする際に、そのプロセスを知るために参考になる。
引用
・葬儀社によるグリーフケアは、企業の社会貢献活動としての位置づけである。
・グリーフサポート(急性期のグリーフケアが必要な人たちが対象)とライフサポート(少し立ち直りを見せた人たちを対象)は車の両輪のようなもので、標津の悲嘆に向きあう「故人中心の生活」から、人生の豊かさに向けた「自分中心の生活」への移行をお手伝いする、長期的視野に立った遺族サポートが必要。
グリーフサポートとライフサポート、これらをまとめて「グリーフケア」とするのが主流であろうが、あえて2つに分けていることで支援がしやすく、利用者の理解が得やすい利点があるようだ。どの時期に、どういう人が、何を求めているか。より多くの人たちのニーズを充足するためには、多くの受け皿を用意しなければならない。この会は、それをうまく網羅している印象を受ける。
一方で、年配の遺族と異なる、若い遺族のグリーフケアの難しさについて、「死別体験がそれまでにないという経験のなさ、若いがゆえの社会経験の少なさ、未熟さ」が指摘されていた。
年配者と比べ、受け入れる度量が十分ではないということだとは思うのだが、表現が少し乱暴である印象を受けた。
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