『社会福祉学評論』第24号
児童養護施設で働き続けることができる要因の構造について、アンケート調査を通して明らかにしている。
「賃金アップ」「やりがい支援」といった、短絡的な分析・考察ではない論調に共感した。
またこの結果は、児童養護施設職員のみならず、広く様々な職種に通じるものがあると思った。
引用
・職員関係における対等性の有無によって職員の定着あるいは離職する可能性がある
・分散構造分析によって働き続ける職場環境を形成するのは、「対等な職員関係」→「定着可能度」→「仕事・糧の両立」のプロセスが
求められるということが示唆された。
・女性職員は、子どもの甘えを受け止めるという代替的に家族の機能を担う重要な位置づけのため、
女性も働き続けることができる職場環境の整備が課題であると考える。
介護職員の人材不足は広く知られている事実であるが、児童福祉に従事する職員の不足も今に始まったことではない。
複雑な背景をもつ子供が増え、職員の負担はこれまでにないほど、重いものになっていると聞く。
子育て支援、子ども真ん中●●会議などなど、いろんな議論やいろんな施策が飛び交っているが、上にいる人たちは、
見るべきものをきちんと見てくれているのだろうか、と考えさせられる論文であった。