表皮水疱症を有する成人および家族の苦悩の構造に関する研究 芦原有美（２００９）

お茶の水大学大学院　人間文化創成科学研究科　ライフサイエンス専攻　特設遺伝カウンセリングコース　博士前期課程修了論文

遺伝性疾患「表皮水疱症」の患者さんに、遺伝カウンセラーはどのような支援が行えるか？…博士論文執筆の前段階として、文献研究を中心に執筆している。
「表皮水疱症」への支援は、わが国においては未だ不十分で、その状況下で生活をせざる得ない患者さん、家族の苦悩を感じさせられた。そして、この疾患についての情報を知るためには、ていねいに整理されていて分かりやすいと感じた。


遺伝カウンセラーは、わが国においては新しい職種であり、活動領域が明確なようであって、でもとてもあいまいで、専門性を見出すのがとても難しい職種のようだ。
遺伝性の疾患を有する患者さんたちに対し、疾患についての情報を十分に踏まえつつ、必要とされる心理的なサポート（時には社会的なサポート）を行っていく…これは保健医療の領域に従事するソーシャルワーカーととてもよく似ていると感じた。

疾患への理解を深め、そしてそこから波及する問題を整理し、特に心理社会的サポートを行っていく…このソーシャルワークにも通じる「基本的な考え方」の重要さを、あらためて感じさせられた。