社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「サービス付き高齢者向け住宅等の生活指導員マニュアル(暫定版)」(2013)

2014-05-28 13:44:24 | その他
特定非営利法人シーズネット 北海道高齢者向け住宅事業者連絡会
平成24年度 高齢者・障害者・子育て世帯居住安定化推進事業(国土交通省) サービス付き高齢者住宅等相談員養成研修

2011年に「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」が制定された。主にサービス付き高齢者向け住宅について、その概要と相談員の役割について書かれている。

引用
・「単独世帯」の割合が一貫して上昇し続け、2030年には37.7%へと上昇することが見込まれている。
・(依然として、最期の場に)自宅を望まれている(人が多い)が、それを実現するには困難な高齢者のために、「自宅に近いかたちの住まい」の整備というものが必要となってきている。
・サービス付き高齢者向け住宅とは、「高齢者住まい法」の改正によって創設された、介護・医療と連携し高齢者の安心を支えるサービスを提供するバリアフリー構造の住宅です。
・サービス付き高齢者向け住宅の生活相談員の大きな役割は、住宅に入居した高齢者ができるだけ長く安心して生活ができるように見守り、高齢者自らが望む生活を実現するために支援を行う窓口となることです。


見守り支援という言葉が目立ち始めているが、その介入の尺度のようなものは、明確にはされていない印象を受ける。
「つかず離れず」「急変時を察知できるように、日常の様子を把握しておく」「対象者からの反応があるまでは、待ちの姿勢でいる。それがアプローチの方法」…。
直接的に身体に触れるケアではないがゆえに、その距離感が本当に難しいと思う。


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「グリーフケア(遺族ケア)」中里和弘(2014)

2014-05-04 08:25:05 | 心理学
『がん患者のこころに寄り添うために サイコオンコロジーの基礎と実践 サイコロジスト編』大木桃代/編著 真興交易㈱医書出版部

 がん患者を支援するために、心理職向けに書かれた本の1節。グリーフケアの概要を諸説を踏まえて論じている。心理職に限定せず、広く入門書として活用できる。

引用
・遺族の悲嘆が通常の範囲である場合、介入目的は、遺族自身が主体的に悲嘆のプロセスに取り組み適応する過程を援助することにある。
・(セルフヘルプグループでは)複数の参加者が喪失の思いだけでなく、時間も分かち合うことを前提とする。
・遺族がセルフヘルプグループに参加した際は、面接時に参加体験のフォローを行う。適切な紹介とフォローが介入効果を高める。
・病室での死亡確認後のお別れの時間、エンゼルケア、霊安室での家族の待機、離院(見送り)時まで、患者・家族に対して敬意と哀悼の念を持った態度で臨むことが大切である。


グリーフケアの取り組みが少しづつ広がっていくなかで、援助者側の「提供している」という満足感だけで終わらせないためには、基本を意識し続ける必要があるということを感じさせられた。
また、グリーフケアの対象者は死別体験者とされることが多いが、認知症患者、障がい者も対象となる。もちろんそれらの人たちだけにとどまらない。
「喪失体験」という言葉が、より一般的に(というのは稚拙な表現だが…)応用されることを願う。

がん患者のこころに寄り添うために サイコロジスト編
クリエーター情報なし
真興交易医書出版部
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