『十文字女子学園大学紀要』Vol.50
社会福祉法人が行っている地域貢献活動について、その促進要因と阻害要因をインタビュー調査を通して明らかにしている。税制上の優遇を受けている社会福祉法人は、地域貢献を行うことを一つの責務とされている。その実態について、分かりやすく報告されている。
引用
・(調査結果より:調査対象の)すべての法人で地域貢献活動を行っていた。内容について大きく分けると、「地域交流を目的とした活動」「認知症カフェ、認知症サポーター養成講座講師」「地域からの要望や協力で行っている事業」「法人独自事業」となった。
・「法人独自事業」とは、ランチ交流会や体操教室、栄養教室、就労審など、いずれも職員が自分たちになにができるのか、またどんな地域課題があるか検討したうえで行われている。
・(活動への阻害要因)①社会福祉法人本部の地域貢献活動に対する意識格差がある、②理事に対する理念の具体化及び啓発の機会がない、③社会福祉法人のミッションについて認識が乏しい
新型コロナウイルスが流行し、福祉施設が地域とつながる機会が激減している。そして、家族とすら手を取り合えない福祉施設入所者も少なくない現状は、異常という言葉では表現できないくらいである。
社会福祉法人は地域に根差し、地域に貢献し、地域の人とともに生きていく…こういった類の理念を掲げている組織は、とても多い印象を受ける。私の勤務先も然、である。しかしながら、予算や人手ややる気や…いろいろなものが足かせになり、結局のところ、「新しくできた、あそこの建物はなんだ?」と思わせる、対象となってしまったのである。
法人本部は施設とは異なる行政区にあり、経営者集団は親族で構成されている。似通った環境で生活をしていた人たちが、おかしな共通の認識で、組織としての成長の幅を狭くしているのではないか?と思わされることが多々ある。組織の内側に皆が集中するのではなく、外の世界に目を向けてほしい。この論文を読み、痛切に感じている。
たまたまこのブログを見つけました。
初めての論文で、拙いものですが
読んでくださりありがとうございます。
現在も、社会福祉法人の地域公益活動について
研究を行っています。
お礼まで。
そしてコメントをくださり、
ありがとうございます。
社会福祉法人の公共性と自主性?というものは、
どこにベクトルが向くべきなのか?
(向いているのか?)。
貴論文からいろいろと考えさせていただきました。
今は他の社会福祉法人に転職し、
やはりカギは理事長にあるのか…と思うところが多々あります。
どうぞこれからも、
臨床(現場)で踏ん張る人たちにとって
後押しとなるような研究を、
ぜひ続けられてください。
本当にありがとうございました。