副題:介護老人福祉施設と介護老人保健施設の看護職員の比較調査 『社会教育研究』第27号
看護職が介護保険施設に定着しない原因について、郵送による質問紙調査を用いて明らかにしている。
介護職以上に離職率が高いと体感しているが、その調査結果はうなづくばかりであった。
引用
・調査結果より、施設に就業する看護師が抱える課題
→施設長と看護師間の認識のズレ(施設長は看護師に高い評価をしているが、看護師は評価は低いと認識している)
→施設看護の専門性があいまいであることから、看護師も施設長も、看護師の役割があいまいである
・施設看護師が知人に施設での勤務を薦めるか?の問に「薦めない」割合が高かった。その理由は…
→「業務の激務、責任の重さ、賃金の安さ、他職種との連携の難しさ」
介護職の離職ほどにはクローズアップされないが、看護師の施設離れも早急な対応が求められる課題だと、日々の業務を通して痛感している。
本論文のなかで、看護職と介護職の連携が十分ではないため、チームワーク体制も不十分で、結果としてチームケアが提供できていない…というものがあった。
職種間連携を図る職種として、考えられるのは生活相談員もしくはケアマネージャーである。介護施設での先の職種は、基礎資格として介護福祉士を有している割合が高い。では介護福祉士は連携業務に長けているのか、もしくはそれを専門性として認識しているのかというと、やや疑問がある。
しかしながら中立的な立場で、ケアを円滑に遂行させるための業務とすれば、やはり生活相談員やケアマネージャーが介護職と看護職の仲介役となる必要があるのだろいうと考える。