社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「M-GTAによる生活場面面接研究の応用」小嶋章吾・嶌末憲子=著

2015-04-24 13:25:11 | 社会福祉学
副題:実践・研究・教育をつなぐ理論

ヘルパーが行う援助に焦点をあて、いわゆる「介助」以外の側面、利用者との対話に焦点をあて、そのやりとりの意義について、M-GTAを用いて分析している。

引用
・生活場面面接の定義…生活場面面接とは、利用者の日常生活場面において、援助目標に沿い利用者の多様な側面と必要に応じて環境(生活環境、出来事、他者との関係)を活用した意図的なコミュニケーション、すなわち面接である。
・(へルパーへの調査等を踏まえて、研究者によってまとめられた)生活場面面接プロセス概念
 カテゴリー①援助展開の促進、②生活環境・関係性の構築、③肯定的感情の醸成、④行動への働きかけ、⑤生活や人生に対する意欲への働きかけ、⑥意思・価値観の尊重、⑦知覚(感覚・記憶)の活性化、⑧持てる力を高める連鎖


ヘルパーが介助の合間に、何気なく交わす言葉は、どのような意味を持つのか?がこの研究の根底にあるように思う。
隣の世話好きのおばちゃんではなく、職業人としての「お世話」の意義を問い、その価値を立証していく大切さを感じた。

筆者も指摘しているように、ヘルパーさんは、在宅介護の要であり、今後はより重要性が高まるであろう。
人材を育成し、そして質を高めていくためには、介助という行為以外にも着目する点が多くあると考えさせられた。

M-GTAによる生活場面面接研究の応用~実践・研究・教育をつなぐ理論~ (M-GTAモノグラフシリーズ)
クリエーター情報なし
ハーベスト社
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