『保健の科学』第58巻第8号
死にゆく方、その周辺にいる方々へのケアをしている実践者たちの報告。特に子どもに焦点をあて、年齢別の死の捉え方、悲嘆の表出について整理している。
引用
・(子どもへの対応がわからないがゆえに、ケアの対象とは見られにくい現状に対して→)周囲の大人が勘違いをして子どもに伝える情報を操作することなく、子どもの力を正しく理解した上で子どもが自分の意志を持ち、それが尊重されるような対応であれば孤立感はなくなる。
・まずは子どもの気持ちを受容、尊重し「驚いたね、困ったり聞きたいことがあれば声をかけてね」と、突然に非日常が始まり、病院という慣れない場所での緊張感と混乱に寄り添う。
・自立前の子どもにとってもっとも辛いことは、孤立することである。子どもの側にいる誰かが、子どもの存在を意識する行動をしていただければ、まずは十分なのである。
方法が分からない、自分には出来ないのではないかと自信がないケアに対しては、とかく消極的で「あえて注目しない」策をとる専門家も少なくないだろう。
でも本論文では、まずはその存在を認識してあげることが大切と説いている。何かをしてあげよう、わかりやすい形で提供してあげようとかまえる必要はないのだろう。
以前、米国のホスピスに見学に行った際にチャプレンにその役割を尋ねたら、「一緒にいる」という答えが返ってきた。話さなくとも、触れなくとも、ただ側に座っている。時間を共有するだけの時もあると言っていた。
そこまでたどり着けるのは、もしかしたら究極のスキルが必要なのかもしれないが、まずは認識する、そして声を掛ける。それはすぐにでもできそうなことだと思った。
死にゆく方、その周辺にいる方々へのケアをしている実践者たちの報告。特に子どもに焦点をあて、年齢別の死の捉え方、悲嘆の表出について整理している。
引用
・(子どもへの対応がわからないがゆえに、ケアの対象とは見られにくい現状に対して→)周囲の大人が勘違いをして子どもに伝える情報を操作することなく、子どもの力を正しく理解した上で子どもが自分の意志を持ち、それが尊重されるような対応であれば孤立感はなくなる。
・まずは子どもの気持ちを受容、尊重し「驚いたね、困ったり聞きたいことがあれば声をかけてね」と、突然に非日常が始まり、病院という慣れない場所での緊張感と混乱に寄り添う。
・自立前の子どもにとってもっとも辛いことは、孤立することである。子どもの側にいる誰かが、子どもの存在を意識する行動をしていただければ、まずは十分なのである。
方法が分からない、自分には出来ないのではないかと自信がないケアに対しては、とかく消極的で「あえて注目しない」策をとる専門家も少なくないだろう。
でも本論文では、まずはその存在を認識してあげることが大切と説いている。何かをしてあげよう、わかりやすい形で提供してあげようとかまえる必要はないのだろう。
以前、米国のホスピスに見学に行った際にチャプレンにその役割を尋ねたら、「一緒にいる」という答えが返ってきた。話さなくとも、触れなくとも、ただ側に座っている。時間を共有するだけの時もあると言っていた。
そこまでたどり着けるのは、もしかしたら究極のスキルが必要なのかもしれないが、まずは認識する、そして声を掛ける。それはすぐにでもできそうなことだと思った。