社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「アメリカでの患者・家族へのエンドオブライフケア」 塚本容子 『家族看護』2011.2

2011-07-11 14:17:15 | 看護学
 筆者でのアメリカでの臨床経験をもとに、エンドオブライフにおける援助者の葛藤、エンドオブライフの倫理的課題等について報告している。

引用
筆者による言葉の定義
(エンドオブライフ)
死に至る疾患に罹患している患者や人生の最期のステージにある患者に対して、治療効果がこれ以上期待できない時期に提供するケア
(ホスピスケア)
緩和ケアと目標は同じ部分が多いが、エンドオブライフにある患者の疼痛緩和、症状緩和を目標として行うケア
(緩和ケア)
疼痛緩和そして症状緩和を目標として行う。ケアの提供対象者は必ずしもエンドオブライフの患者とは限らない。慢性の病いをもつ患者に対しても行うこともある。

Good deathの構成要因(先行研究から引用)
・疼痛と症状マネジメント
・明確な意思決定
・死への準備
・人生の終了・完了
・他者への貢献
・全人性の肯定


死に対するイメージについて、患者と家族が同一だとは限らない。そしてどのように死に向かいたいかという希望も、同一とは限らない。
家族は患者の置かれている立場を重んじて、自分自身の想いや健康の問題を表に出さないこともある。しかし反対に「患者=家族」と認識し、自分たちの想いを押し通すこともある。
援助者に求められることは、「正しいこと」を知らせるのではなく、各々の想いと立場を把握し、重んじること。特に、終末期の短期間に、多くのことを感じ、そして大切な決断を迫られる時には、より一層の配慮が必要であろう。

患者支援、家族支援。一対であって、一対で在り続けてはいけないと、つくづく考える。






家族看護 17
クリエーター情報なし
日本看護協会出版会
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする