社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

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「日本の在宅ホスピスケア;アメリカの実践から学べるか」 高波澄子、竹生礼子(2004)

2009-08-23 16:21:26 | 看護学
『ホスピスケアと在宅ケア』Vo.12,No.3

アメリカにおける在宅ホスピスケアについて、サービス提供の仕組み(保険や対象者の概要など)と実践について紹介。これを踏まえ、日本に応用できないか?といくつかの案を提示している。しかし、提案した後に「どれも難しそうである」と消極的に締められている。

<アメリカでの実践>
・在宅療養者のみならず、ナーシングホームやケアハウスに入居している高齢者もホズピスケアの対象となる(費用面に関しても同様の扱い…ということ)。そのため、施設スタッフを指導し教育することもホスピスの役割である。
・看護師がケースマネージャーとして役割を担いチームの最も中心的な存在である。
・医師と看護師との連携について…あらかじめ、医師と看護師間に当該患者の苦痛緩和・症状管理に関するガイドラインを作成しておき、看護師はそのガイドラインの範囲内で薬剤等を調整していく。
・看護師がフィジカルなケアを中心に行い、SWは、情緒的・心理社会的・経済的な、そしてスピリチュアルな側面のアセスメントをしてニーズに応じたケアを提供する。


日本への応用としてチームケアでの取り組みや、報酬加算、事業の新設等が挙げられていた。
「ソーシャルワーカーと看護師との効果的な連携は、末期患者のQOLに不可欠であろう」と述べる一方で、日本への応用としては「当面は看護師が代行することになろうか」とあった。
看護職による論文であるため、SWについての言及が十分になかったのが残念だった。


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