社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「第二次世界大戦後引揚げ女性に行われた非合法の中絶に関する研究(2)」宮原和沙

2015-01-14 09:38:05 | 社会福祉学
副題:女性福祉の観点からもう一つの引揚げ港に関する一考察

[兵庫社会福祉士第15号:会員起稿③]

戦後、引揚げ女性に対して行われた非合法の中絶に関する出来事について、女性福祉の観点から文献調査をしている。

引用
・女性福祉の観点から、戦争は人間としての女性の人格の尊厳を踏みにじる最大の人権の侵害であり暴力である。
・筆者も含め戦争を体験したことがない世代が増え続ける現代社会において、戦争がもたらしたこの悲劇的な出来事について想像力を働かせ、より身近に感じ、知識としてだけではなく、心で知り、そこからの姓名の尊さや平和の意味を学ばなければならない。
・現在も戦争に関連するレイプ等の被害は後を絶たない。即ち、第二次世界大戦後約69年も経った現代社会において、内戦によって女性たちの人間としての人格の尊厳は踏みにじられ、性暴力の被害者となっている。


戦争がもたらすものは、こういった側面もあるのだと、締め付けられる思いで本論文を読んだ。
自死を選ぶか、犯されることを選ぶが。究極の選択を迫られた方も少なくないという。
こういったことを知る術として、歴史を紐解く価値があるのだと感じさせられた。

本論文の筆者は、医療機関に勤務するソーシャルワーカーのようだが、このようなアカデミックな論文を執筆できる実践者に敬意を表したい。
コメント
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