『応用老年学』第17巻第1号
高齢者の感謝の対象を明らかにするために、半構造化面接を実施。人生の最終段階にある高齢期で、感謝の対象を通してどのよう充足感を覚えか…
などを分析している。読み物としては難しいが、ぜひ高齢者にケアを提供している支援者に読んで欲しい。
引用
・感謝は(中略)良好な人間関係にも寄与する心理として位置づけられている。
・(注:文献を引用し)老年的超越は、高齢者がそれまで持っていた物質的で合理的な見方が、宇宙的、超越的な見方へと変化していくことを示
し、人生満足度を向上させるという。
・感謝は、高齢者の豊かな人生を支える非常に重要な心理であると言える。
・(調査結果より)高齢者の感謝の対象は、自分から他者への利益、また自分に関係する個々の出来事や環境から人生全体へと広がっていること
がわかった。背景として利他的、心理社会的発達など様々な要因の影響が示唆された。
支援者に攻撃的な態度や口調を示す高齢者。いつも「おかげさまで」と口にする高齢者。穏やかな生活を過ごせているのはどちらであろうか?
心穏やかに…という面で考えると、後者であると考える。では、その2者の違いは何であろうか。
生育環境、人とのつながり、財力…きっとたくさんの事柄がその人を形成しているのだと思う。
できればより多くのひとが、心穏やかに晩年を過ごせればと思う。そのために支援者は何ができるのか?
その答えを出すことに、この論文は一助になると感じている。