社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「今を見つめ、関わり続ける」芦沢茂喜(2019)

2019-04-10 15:17:05 | 社会福祉学
保健福祉事務所に勤務し、ひきこもり支援をしているソーシャルワーカーさんの報告。
過去でも、未来でもなく、「いま」に注目し、いまを一緒に生きることを実践されている。
目標の設定→目標の達成・・・は誰のためにあるのか。そんなことを考えさせられる。

引用
・将来へのリスク対策として、就労に向けた訓練等がこれまでも行われてきましたが、必ずしも効果をあげてきたわけではありません。職に就くか否かといった将来の話の前に、人と関係を結ぶことが出来ていない今の状態に注目し。その状態を認めた上で、関わる、関わり続けることが重要だと私は思いました。
・そもそも、誰にも頼らずに生きている人はいません。(中略)大事なことは甘えているか否かではなく、そのバランスであり、問題は家族だけ、なかでも母親だけに依存し、それ以外に依存できないことだと考えれば、彼らとの関わりにおける目標は「家族以外の依存先を増やすこと」(熊谷晋一郎)なのです。それならば、私が母親以外の彼らの依存先になり、私を通して依存先を増やしていくことが必要だと思いました。
・彼ら(ひきこもりをしている本人や家族)との関係性において、私は語弊があるかもしれませんが、強く、太いものを求めていません。弱く、細いもので、今にも切れそうであっても、切れずに続いている、そのような関係性が重要だと感じます。
・大事なことは家族や本人が私を利用することであり、私が利用される人材でいることのように感じます。


ソーシャルワーカーは、その存在そのものが社会資源である。・・・これは私が学部時代にゼミの先生から言われたことであり、実践のなかで常に意識していることである。使われる価値のある専門家でありたい。そう強く思わされた。


都市問題 2019年 04 月号 [雑誌]
後藤・安田記念東京都市研究所
後藤・安田記念東京都市研究所
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