今は「ヤングケアラー」という言葉が浸透しつつあるが、それはほんの数人の学者、実践者、記者たちの奔走の結果であることを知った。
「ヤングケアラー」という事柄のみならず、ある事象を課題として浮き上がらせ、そして認知させるための難しさを感じ取ることができる。
引用
・介護をする子どもたちは世間から「親孝行な子」「えらい子」「仲のいい家族」と称賛されることはあっても、「支援すべき対象」とみなされることは少なかった。
・(当事者からの言葉)「若者が介護をすることで払った犠牲は、自己責任なんでしょうか?」「子どもの知識の無さをなめちゃいけない。はんぱなく知識が無い。だから『助けて』と外の世界に手は伸ばせない」
社会経験が少ない年少者が「いまやっていることは当たり前のことだ」と思うのは、たやすいことだ。本来、周りの大人が多くの選択肢を提示し、社会(生活)にはたくさんの要素があることを伝えていかなければならない。
本書を読み進めると、大人たちは、周りとは生活リズムや生活習慣が異なる子供たちに対し、どれほど都合の良いものさしで解釈していたのかと、愕然とさせられる。
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