社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「夢の病院をつくろう チャイルド・ケモ・ハウスができるまで」(2013)ポプラ社

2015-03-27 09:58:18 | その他
神戸にある小児ガン専門治療施設の設立までのプロセスを紹介。長期に及ぶ小児ガン患者の療養生活の様子も知ることができる。

引用
・小児がんの治療は、がんそのものへの治療の効果をみることと同時に、①免疫力低下時の感染症の治療 ②治療が本人の身体・心の成長に及ぼす影響へのフォロー のふたつが重要になります。
・病院では、普段の生活におけるほとんどの自由や権利がうばわれてしまうのです。それは例えば次のようなものです。
「プライバシーの権利」「移動の自由」「きょうだいや友人と会う自由」「遊ぶ自由」「電話をする自由」「テレビを観る自由」「冷蔵庫を使う自由」「お風呂に入る自由」「眠る自由」


 先日、このチャイルド・ケモ・ハウスを見学する機会を得た。大きく窓がとられ、明るく開放的な空間であった。なかでも、ひとつひとつの部屋に独立した玄関があり、帰宅の遅いお父さんも気兼ねなく出入りでき、一緒に過ごせる工夫がされていたことに驚いた。
 現在、お部屋の稼働率は約50%とのこと。病院としての認定を受けていないため経営が厳しいとのことだったが、このあたりの工夫?自助努力?が安定した経営の継続にも不可欠であろうと感じた。


夢の病院をつくろう チャイルド・ケモ・ハウスができるまで (一般書)
クリエーター情報なし
ポプラ社
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「ともに生きる たとえ産声をあげなくとも」(2007)中央法規

2015-03-09 13:46:27 | その他
流産・死産経験者で作るポコズママの会/編集

流産、死産経験者の語り。そして周産期医療に携わる医療者からの現状、課題の報告。

引用
・本当に痛みを感じて、ケアを必要としているのは、手術の傷ではなく「心」だったのです。(中略)患者は思ったり感じたりしていることの半分も表現していない、もっと言えば「表現できない」のだということを、身をもって経験しました。
・少しづつ胸の痛みが和らいできても、たとえ次の子が生まれても、亡くなった子への思いが消えることはありません。ですが、日が経つごとにあの子たちのことを口に出す機会が減りました。周囲からは立ち直ったと見えるかもしれません。乗り越えたと思われるかもしれません。でも、本当は人に話さなくなっただけで、心のなかではいつも存在を求めているのです。
・今では、生まれた時が0歳。お母さんのおなかの中の人生は赤ちゃんの年齢には加わりません。いまさら法律を変えるようには言わないけれど、授精したその瞬間が赤ちゃんにとっての0歳であり、生まれたその瞬間が1歳だと考えるべきだ、と私は思っています。そのような考えのもとで不育症を診ていけば、流産も死産も一人の人間としての死ととらえることができます。


喪失の体験は、ある時の特別な中に存在しているのではなく、日常のなんでもない時にも起こりうるものである。
誰にでも、どんな時にも起こりうることであっても、特別なサポートを要するからこそ、ケアとしての位置づけが求められ、学問においては研究が進められている。
当事者(体験者)の声に耳を傾け、そしてそれを生かすことがどんなに大切なことか…ということを感じさせられた。


ともに生きる―たとえ産声をあげなくとも
クリエーター情報なし
中央法規出版
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