社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

コロナ感染者が出た場合の対応

2020-04-19 08:40:14 | あたまの整理
私は現在、ユニット型の特養に勤務しています。
先週、お一人、コロナ感染者が出ました。
残念ながら、私の勤務先は平時から危機管理が乏しく、
その悪い面が露呈されました。

感染者が出ていない段階から、
準備できることはたくさんあります。
今回の体験をお役に立てればと思います。
なお、行政の対応は自治体によって異なると思いますで、
その点はご了承ください。

入院先の感染対策担当看護師さんより、PCR検査陽性との連絡が入る。
保健所には通知済みのため、そちらにも連絡がいくと思います。
連絡を待ち、その後の指示に従ってくださいと言われる。
約2時間後に保健所から連絡が入り、いまから2時間後にそちらに行きます。
感染者が過ごしていたユニット入居者と職員の一覧を作成しておいてください。と指示がある。
ユニット10人分+隣接する別ユニット10人分+両ユニット配属の職員+出入りが頻回にある医務職員+厨房職員 の一覧の作成を始める
(氏名、生年月日、住所:住民票のある住所、電話番号:入所者は家族の連絡先、症状の有無、職員は出勤日 がわかるように一覧をエクセルで作成)

☆保健所からヒヤリングとレクチャーがある。
 ・濃厚接触者とはどういった人を指すのかのレクチャーがある。
  (レクチャーのみであり、実際に選定するのは施設側
 ・消毒の指示を受ける
  (保健所が消毒に入るのではなく、施設が除菌液を用意し職員が行う)
 ・施設運営についてはアドバイスのみで、休業の自粛等の指示はない。
 ・濃厚接触者であっても症状が出なければPCR検査は実施しない、と言わ
  れる

感染者が出る前にこそできること
 ①ユニットごとの入居者のリスト作成
 ②配属先別の職員のリスト作成
 ③感染者が出た場合に、保護を優先すべき職員の選定
  (例:妊娠中の人、高齢者と同居している人、未就学児と同居している
   人、持病のある人)
 ④感染者が出た場合に、どこまで事業を行うかの方針の共有
  (例:入所フロアで出た場合。デイサービスのみ行う:規模はどの程度に
    するのかも含める)
 ⑤職員の役割分担と指示系統を明確にしておく
  例:法人本部との連絡窓口⇒施設長
    保健所との連絡窓口⇒管理職
    現場職員及び職員家族からの要望をまとめる人
    居宅ケアマネージャーを含め地域のサービス事業所との連絡窓口
    入居者等の家族への対応担当者
    フロア消毒担当の責任者
    職員配置の調整役
    時系列的に状況を整理し、未解決事案、解決済み事案等をチェックし
    ていく人

😣 😣 
残念ながら私の勤務先は、「本部からの指示待ち。保健所からの指示待ち」の一点場張りで、管理職の方が機能せずに、一般職員が不安のなか通常業務に追われている状況でした。平時の職員間のコミュニケーションの大切さも痛感しました。

コロナウイルスが収束に向かうということは、数年先になるのかもしれません。
収束ではなく、共存していけるよう、今できることをやっていくしかないのだと痛感しています。
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周産期医療~小児医療の病状説明について感じること

2009-02-05 14:53:40 | あたまの整理
小児医療に関する論文を読むなかで、自身の経験から感じたことを

胎児(子供)の異常が「事前にわかる」ケースが多くなっている。それについて、遺伝カウンセラーの養成が少しづつ本格化している様子。
「事前にわかること」について、医療者は家族にどのように説明し、そして理解・受容をサポートするか…まさに模索中のようだ。

三次救急の指定を受けた周産期医療センターでの出産を経験した、一患者としての経験
同じ病室の患者さんたちは、「胎児に何らかの異常がある」と説明を受け、「胎内での治療」と「誕生後の医療管理」を実現させるために、転院してきていた。
何度となく医師と看護師、ソーシャルワーカーによる「病状説明」と「社会資源の紹介、提案」を受け、わが子の誕生を複雑な思いで迎えていた。
彼女たちにどんな内容であったかを聞くと、「○○という病気があるかもしれないし、ないかもしれない」「△△という障害が残るかもしれないし、そうではないかもしれない」とすべて「かもしれない」調の説明に終始し、最後は「結局は生まれてみないと何とも言えない」で締めくくられたそうだ。
医療者として、「予測できることについては、説明責任がある」のだろうが…。
ひとつの疑問…病状説明後に、ベットサイドに様子を見に来るスタッフはいなかった。患者同士で、病室内での不安や不満のやり取りが、日常的に行われていることを、知っているのだろうか?
「これはクールダウンの一種?それとも医療者の怠慢?」

医療機関に勤務していたSWとしての意見
ベット数(患者数)に対するSWの人数は少なく、日常的に患者と接している医師や看護師からの「依頼」があってから「動く」ことしか、現実的にはできない。
しかし病状説明後の「フォロー」は必須で、直接的にやり取りをする医師よりも、看護師やSWの方が良い場合もある。
その患者さんにとって、「誰が(どの職種が」、フォローに入るのに適任か?を事前に検討し、決めておくことも、病状説明の一環であることが本来であろう。

…病状説明は、その場だけでは済まない、継続的なサポートが必要な「一大イベント」であろう(疾患にもよるが)。
特に周産期~小児に関しては、援助対象者が胎児であったり、小児であったり、そして妊婦であったり、母親・父親であったり…立場が複雑で問題もデリケートである。
胎児に関する情報は、予測も含めて、とても多くを知ることができるようになった。親(場合によっては祖父母も)は、数多くの「予測」を理解し、そして決定していかねばならない。その負担ははかり知れない。
医療技術の進歩はめざましいが、「人間を支える」ことは、それに全く追いついていない。

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誰のための在宅?!

2008-05-13 18:29:48 | あたまの整理
「笑顔の選択」(5月12日 深夜放送 日テレ)というタイトルで、在宅医療が取り上げられた。
主に、在宅専門のクリニックを開業している医師を通して、医療や介護の現状を報告。

医師は「在宅では患者も自立していかないといけない。自分でできることをやっていく。その姿勢も大切。」というようなことを話していた。

確かに…受け身だけではやっていけない。「こうしたい。ああしたい」と主体的に生活をしていかないと、サービスから切り捨てられてしまうこともあるだろう。
医師は、このような世知辛いことを念頭にして発言したかどうかは分からないが、私は瞬時にそう思ってしまった。

そして厚労省職員のコメント
「2040年には死亡者数が今の数倍になり、とてもじゃないが、このまま病院で死を看取ることは不可能。そのためにも、診療報酬を改定するなど、在宅での看取りの推進をしている。」

在宅医療の推進…ニーズを引き合いに出し、声高に説いてはいるが、それは何のため?積極的に在宅を選択する人ばかりではないということも、十分に踏まえて考えていきたいと痛感した。

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在宅医療におけるソーシャルワークの可能性

2008-05-12 11:40:17 | あたまの整理
友人からの依頼で、自身の修士論文を報告する機会を得た。
「ソーシャルワークに対する他職種からの理解」をテーマに
論文を整理した。

論文を提出したのは4年前。それ以降の文献を見ても、
在宅医療でのソーシャルワークは未だにマイノリティで、
看護学が専ら強い(このいブログでも顕著に表れているが…)。

論文執筆に際して、他職種へのインタビュー調査を行ったが、
求められている役割は、「患者さんへの援助」ももちろんだが、
それと同じくらいに「組織内の調整援助」「他機関との調整援助」
も多くあった。
なかには、生粋の医療者同士(医師と医師、看護師と看護師など)だと
感情論になってしまい、スムーズな連携が取れない…という声もあった。

援助者同士がしっくりこないと、そのひずみは必ず患者さんや家族に向かう。
スタッフ間の調整は、時には板挟みになり、損なことも多いが、
「患者さんへの間接援助」と見れば、その効果はあるのかもしれない…
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「生」「命」

2008-05-07 22:41:46 | あたまの整理
この数日間で、命についてのドキュメンタリーが2本テレビで放送された。
1本はJR福知山線の事故で、最後の生存者となった方のもの。もう1本は24歳でガンによって他界された方のものである。

「生かされている」「一日一日が奇跡である」…自分の足元をもう一度きちんと踏みしめなければ、と考えさせられた。

私が初めて「生きること」のバトンを渡されたのは高校生の時だった。
その後福祉関係の職につき、多くの人から「生きること」の意義を教えてもらい、
そして問題を投げかけられた。

たくさんの人に渡されたバトンを、私はきちんと次につなげているのだろうか…。
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ホスピスケアにおける協働

2008-04-21 13:23:08 | あたまの整理
大学時代の恩師が中心となって活動している、ソーシャルワーク分野の研究会に参加。
アメリカで学位を取得し、現場でも長く仕事をしていた研究者の方の報告。

アメリカでは在宅でのホスピスケアが主流となっていて、そのチームリーダーは「看護師」であるとのこと。参加者から、薬の投与指示などは医師しか行えない行為であるため、看護師がトップに立つのは難しいのでは…と指摘があった。それについて、患者さんのお宅に定期的に訪問をするのは「看護師」であり、その状況を医師が報告として受け、必要に応じて訪問(往診)をしたり、薬の処方を行うことになっているそうだ。
医学的なアセスメントができ、かつケアの指導もできる…という意味で、看護師はある意味オールマイティーなのかもしれない。
ちなみに、ソーシャルワーカーもチームに組み込まれており、患者さん一人一人に担当がつくことになっている。その役割としては、「保険に関するペーパーワーク、延命治療に関する決定権の委任状の作成などを手伝うこと」。


日本のホスピスケアでのチームは、多くの文献に、「医師がリーダーとなり、看護師がコーディネーターである」と書かれている。
これについては研究会でも様々な議論があり、医学的ニーズが高い患者さんは看護師や医師が「リーダー」になりうるが、いわゆる老衰でのターミナルケアの患者さんは、ソーシャルワーカーやケアマネージャー、ヘルパーも「リーダー」ないし「コーディネーター」になりうるのでは?という指摘が多かった。


「ターミナルケア」の対象者を「がん末期患者」に限定した場合、それは医療者が担う場面が多いであろう。しかし、山崎章郎氏が指摘しているように、患者をがんの疾患限定せず、広く対象とするべきである…ことを踏まえると、必ずしも医療者が中心となるチームばかりでもないと思う(もちろん、「援助チームのリーダー」とそのチームを有する「組織の労務上での責任者」は別と考える)。
ソーシャルワーカーがコーディネーターとなり実践をしたチームを整理することで、何らかの特徴を見いだせるかもしれない。
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これまでのまとめ

2008-04-18 21:56:51 | あたまの整理
今日は娘の体調が悪く、集中して本を読むことができず…
自分のブログを読み返し、あたまの整理をしようと試みた。

1.「ターミナルケア」の定義
2.「連携」の意味
3.「保健医療におけるソーシャルワーカーの役割」の再確認

主に上記の3点を、さらに深く考えていくことで、在宅ターミナルケアにおけるソーシャルワーカーの役割をなんとなく整理できるような気がする。


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