社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「児童養護施設における働き続けることができる職場環境の諸要因-児童養護施設職員へのアンケート調査を通じてー」座安晃生(2023)

2024-05-13 19:39:03 | 社会福祉学

『社会福祉学評論』第24号

児童養護施設で働き続けることができる要因の構造について、アンケート調査を通して明らかにしている。

「賃金アップ」「やりがい支援」といった、短絡的な分析・考察ではない論調に共感した。

またこの結果は、児童養護施設職員のみならず、広く様々な職種に通じるものがあると思った。

 

引用

・職員関係における対等性の有無によって職員の定着あるいは離職する可能性がある

・分散構造分析によって働き続ける職場環境を形成するのは、「対等な職員関係」→「定着可能度」→「仕事・糧の両立」のプロセスが

 求められるということが示唆された。

・女性職員は、子どもの甘えを受け止めるという代替的に家族の機能を担う重要な位置づけのため、

 女性も働き続けることができる職場環境の整備が課題であると考える。

 

 介護職員の人材不足は広く知られている事実であるが、児童福祉に従事する職員の不足も今に始まったことではない。

 複雑な背景をもつ子供が増え、職員の負担はこれまでにないほど、重いものになっていると聞く。

 子育て支援、子ども真ん中●●会議などなど、いろんな議論やいろんな施策が飛び交っているが、上にいる人たちは、

 見るべきものをきちんと見てくれているのだろうか、と考えさせられる論文であった。

 

 

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「成年後見人と医療・介護従事者との合意形成における現状と課題」永野叙子(2022)『社会福祉学』第63巻第4号

2024-04-18 16:48:17 | 社会福祉学

副題:身寄りのない認知症高齢者の医療合意に焦点をあてて

第三者後見人への半構造化面接調査を実施し、語りを丁寧に分析している。面接対象者は1名であるため一般化するには限界があるとは思うが、

先行研究をうまく活用し、リアルな現状と具体的な課題を提起している。

 

引用

・多くの場合、後見人は専門的な医療知識を持ち合わせていないため、医療の選択では医療従事者によるエビデンスに基づいた医療的情報に委ねざるを得ない実情がある。本事例では後見人と医療従事者との間には医学的情報の格差がみられ、「情報の非対称性」を指摘できる。

・後見人が一時的に医療従事者の言動にたじろいだとしても、これまでの後見活動で把握してきた本人の意向に基づき、本人の代弁を根気よく努めることが重要であったと思われる。

 

「認知症になったときに、意思疎通ができなくなった時のために…」事前に意思表示を残しておく必要性について、盛んに言われている。しかし本事例のように、積み重ねてきた意思表示のひとつひとつが、「月日が経っているから」「認知症になる前のもので、いまのこの状態のものではないから」といった理由で、活用されないこともある。

節目節目で意思確認をしておく、そして支援者がひとりでその意思確認をし記録を残すのではなく、チームで共有していく必要性がある。これは先日、介護支援専門員の更新研修で何度となく講師から言われたことである。

単身高齢者が増加するなかで、支援者が、そして自分たちが、肝に銘じていかねばならないことなのだと思う。

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「福祉事務所ワーカーの専門性とは何か―現場から社会福祉主事のあり方を再考する―」高木仁根(2021)

2024-02-05 15:51:05 | 社会福祉学

『社会福祉学』第62巻第2号

福祉事務所ワーカーに求められる専門性について、「公務員の専門性」にも焦点をあて、現役ワーカーへのインタビュー調査をもとにその全体像の素描を試みている。

インタビュー調査対象者は3名と少ないが、その声を丁寧に分析、考察している印象を受けた。

 

引用

・最低生活保障は必ずしも経済給付だけを意味するのではなく、相談支援の実践と一体となった生活保護実践によって達成される。

・調査結果から導き出された概念的カテゴリー:面接、人権保障、連携、計画的実践、法適用、能率性、専門性の自覚、外部視点

・調査回答より:

「ケースワークをしたというより訪問数をこなして記録を書いて事務処理を早くするという方がやっぱり評価されるところに多少のジレンマを感じる」

「数字の評価となってしまって、日々の実践、目に見えない努力が軽視されていないか不安」

 

公務員のお給料は税金から捻出されているため、その公平性と効率性が求められているのであろう。

しかし一方で、公的な立場だからこそ、指導や強い忠告を率先して行ってくれる立場であって欲しいとも思う。

最近の私の勤務先での経験。いわゆる生保ビジネスで、管理人さんが経済的搾取をしているかもしれないとヘルパー事業所から連絡があった。

地域包括の職員は区の窓口にその報告について相談をした。「それでそちらはどう考えていますか?」としか聞いてこない。

虐待の定義として当てはまるのか?という外枠をとても気にしている。

「他の業務に追われ、このケースに関わる時間がないのかもしれない」と推測し、地域包括とヘルパー事業所で経過を慎重にみていた。

そして数日後、「そういえば、先日のケースは虐待の定義に入りましたか?答えは出ましたか?」と区から問い合わせが入った。

定義の範疇に入るかどうかがグレーであるが、食材を買うお金を奪われている様子であったため、

フードバンクと連携をしていることを説明すると、「では虐待という定義に入ったら、教えてください」と電話を切られた。

定義優先?地域住民の人権優先?どこに向かって仕事をしているのか。

本論文を読み、ジレンマを抱えながらも地域住民を向いて仕事をしている公務員の方々が、もっと報われそして増えて欲しいと切に思う。

そのためには何が必要なのか。現業員のたくさんの声なのか、地域住民からの感謝の言葉なのか、関係機関からの報告なのか…。

大きな組織であるがゆえに、難しいことなのだろうということだけは、理解できた。

 

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「障害者就労継続支援B型事業所における工賃向上の阻害要因と対策に関する研究」遠山真世(2020)

2024-01-24 16:20:01 | 社会福祉学

副題:5事業所のインタビュー調査からみた 現状と課題 『中国・四国社会福祉研究』第7号

私の勤務しているエリアでは、B型作業所の利用がブーム化している。そして同時に、B型作業所の良くない話を多く耳にする。

本来、障害者就労継続支援B型事業所は、何のために活動をしているのか。その本質を知るために本論文を読んだ。

本論文は、インタビュー調査を実施し、その現状と課題を丁寧に論じている。

 注)・B型事業所とは?…一般雇用の難しい障害者に就労支援を行うことを目的としている

 

引用

・利用者の支援ニーズが増加・多様化しており、個々の利用者のニーズに合った作業や支援を提供することが重要となっている

・作業は利用者に合っているものの、それらの単価が安いことが指摘されていた。それでも、利用者に合った作業を提供するために、単価が安い 

 作業を引き受けざるをえない構図になっていると考えられる。

・工賃向上に限界を感じるとともに、利用者支援と工賃向上の間でジレンマに陥っていることが明らかとなった。

 

生活に張り合いをもたせ、社会性を身につけることができる。それが就労支援の目的のひとつであろう。利用者ひとりひとりに対し、見守り(支援)と労働(教育)といった、2つの側面からアプローチをすることは本当に難しいのだと思う。それを事業所の自助努力だけに頼ることは、本論文でも指摘されているように限界がありすぎる。

一方で、事業所と親しくしているクリニックが診断をつけ、作業所に通えるように道筋をつけているという話も聞く。それが利用者に有利に働くことであればよいのだが、そうとは限らない。そこも行政は見て見ぬふりをしている様子も見受けられる。

民間の力で伸びる部分、強制力をもった公的な力で伸びる部分(守ることができる部分)、うまく掛け合いができればと切に思う。

 

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「在日コリアン高齢者の福祉アクセシビリティ」木下麗子 『ソーシャルワーク学会誌 第29号』(2014)

2023-09-03 11:20:20 | 社会福祉学

副題:地域包括支援センターによる夜間中学校へのアウトリーチ実践から

 

在日コリアン高齢者の福祉アクセシビリティについて、阻害要因、促進要因の分析を行い、その構造と構成要素を明らかにしている。

調査対象者は、夜間中学校と地域包括支援センターの職員(インタビュー調査)、夜間中学校の生徒(量的調査)としている。

*管理者:注)アクセシビリティとは?

 →高齢の方や障害をもっておられる方などを含め、誰でも必要とする情報に簡単にたどりつけ、提供されている情報や機能を利用できること意   

  味する(国立障害者リハビリテーションセンターHPより)

 

引用

阻害要因:

・区役所の人たちも地域包括支援センターのことが何なのか分かっていない。

・役所への問い合わせで主訴が伝わらず認知症と勘違いされることや色々な所を回されるケースが未だに多い。

・住所を書くのが難しいから区役所へ行くのはハードルが高い。

・病院の先生、学校の先生が難しいことを言われると、耳が遠いこともある「うんうん」というけれど本当は分かっていない場合があり、どの病

 院に行っていいのか分からないという相談もある。・・・など

促進要因:

・申請の手続きには手助けが絶対にいる。個別訪問などで申請の手助けをしてもらう、というのが理想。

・マイノリティの人たちに対しての人権は常に意識をしなければならない。そこに格差があることを認めないから逆差別という発想になる。

・連携は個人の力とは違う大きな力となる。

 

 マイノリティの人たちに対する働きかけは、点ではなく、線ではないといけないことは周知の事実である。

この働きかけは時間も労力も必要となる。できれば関わりたくないという雰囲気は、あくまで個人的な印象であるが、行政機関に色濃く残ってい

ると体感している。

そしてこれもまたあくまで個人的な印象であるが、在日コリアン高齢者は、とても陽気で人懐っこい。こちらが話をすると、何倍にも返して反応

してくれる。

でも本論文を通して、これはもしかしたら「つないだきっかけを離したくない」という必死の表現なのかもしれない。そうも思った。

そうであるならば、いま目の前にいる人たちの声は、できる限りいろんな人や機関につないでいかないとならないと、強く思った。

 

     

 

 

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「在宅療養支援診療所における相談支援・連携業務の多面性とその実践状況:社会福祉専門職の特徴分析」西岡大輔、他(2022)

2023-06-02 16:54:33 | 社会福祉学

『日本在宅医療連合学会誌』第3巻・第4号

在宅療養支援診療所において、相談連携担当者が関わる重要な業務の多面性とその種類を統計的に抽出することを目的としている。

さらに、社会福祉専門職が果たしている役割と可能性に関して検討している。

 

引用

・相談連携担当者が社会福祉専門職である場合に、地域活動業務や連携業務、スペシフィックな支援業務が重要と認識され取り組まれやすいこ

 と、医事関連業務が実践されにくい傾向があることが計量的に明らかになった。

 

本研究の最も大きな成果は、社会福祉学関連の専門書や職能団体の学会誌ではなく、

医師や看護師といった他職種が中心となり結成された学会の誌に掲載されたことであると、私は思う。

在宅療養支援診療所に限らず、有床医療機関の地域連携室等には看護職が配置されており、社会福祉専門職としての専門性を

ながく問われている。

20数年前、片手で数えられる数しか存在していなかった在宅医療領域のソーシャルワーカーが、他の学問でも受け入れられ、

そして掘り下げられていくことを、「感慨深い」という一言では表現しきれない、嬉しさ爆発の感情を持って読み進めた。

 

 

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「メンタルヘルスの問題と考える 福祉職の問題」芦沢茂喜(2022)『こころの健康』Vol.37 No.2

2023-02-07 16:27:23 | 社会福祉学

相談援助職が行う「アセスメント」とは何か?について、事例を通して検討をしている。

支援困難(困難ケース)と呼ばれる事例は、誰にとっての困難なのか?

「知っていたつもり」「経験的にそう思っている」というぼやけた事柄について、真正面から説いている印象を受けた。

 

引用

『アセスメントは専門職の専門性が問われるもの。その見方によって、事例を良い方向にも、悪い方向にも進めてしまう。

 私たちは本人や環境を評価する立場にいる。でも、忘れてはいけないのは、私たちは同じように本人、環境から評価される立場にもいる。

 自分たちの見方がどのようなものなのか、改めて点検する必要がある。問題だと捉えていたものが見方を変えれば問題ではなくなるのであれば、

 問題は私たちの見方にあるのだから。』

 

 支援をする側は、「良い結果」を求めてしまう。誰にとっての「良い結果」なのか?

諍いが丸くおさまって、関わる人すべてが、なんとなく納得して、落ち着いて生活ができる。ということなのか。

あらかじめ予想していた結果に、やはり結びついて、その予想が当たったということなのか。

 

当たり前だと思っている支援方法(自分の専門職としての価値観)に対して、経験を重ねてきたときにこそ、

本論文は、身に染みるものであると感じた。

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「介護福祉施設等の介護支援機器導入に関する促進要因と阻害要因-介護福祉職員へのインタビュー調査」高野晃伸、名倉弘美、他(2021)

2023-01-27 11:49:47 | 社会福祉学

『人間福祉学会誌』 第20巻

 

介護福祉現場における介護支援機器について、その導入の促進要因・阻害要因を明らかにするため、インタビュー調査を実施し、

結果をまとめている。国が導入を推奨する目的と、施設や職員が介護支援機器に求める役割に違いがあることが確認できた。

 

引用

・本研究における介護支援機器の定義:厚生労働省が示している介護ロボットの定義(中略)を参考に、そこに移乗支援系を加えた 4つ

                 (A:移乗リフト、B:スライディングシート・ボード、C:見守りセンサー、D:重量センサー)に

                  分類。また「介護ロボット」を含む、利用者の自立支援や介護者の負担軽減につながる介護機器も

                  対象。

・本来、介護福祉現場での業務はサービス業であるため、生産性や効率性を重視するのでは無く、ホスピタリティを最も大切にする場所のはず

 である。介護保険導入やユニットケアの推奨などにより、個別性を尊重した生活支援の考えが浸透しつつあるが、多くの現場では、限られ

 た時間や職員数の中で業務をこなす状況となり、その結果、「おむつ交換が早く行える」「限られた時間の中で一人でも多くの人が入浴でき

 る」など、素早さや効率化が優先されている状況が根強いと思われる。

・(調査結果より)介護支援機器導入を促進する要因は《職員の課題改善》《事故防止》などが多いことから、介護福祉職員の業務に焦点が

  置かれて割合が高いといえる。(中略)。導入の阻害している要因として《非効率》《金銭的理由》が挙げられている。

 

私が20数年前に障害者施設で介護をしていた時は、移乗リフトがトイレ、共有スペースなどに置かれており、使用することに抵抗はなかった。

そして入居されていた方も、抵抗なく受け入れていたように思う。「よっこらしょ」という言葉ではなく、他愛のない話をしながら、車いすから

便座に移ったり、車いすからベットに移ったり、目線が変わる瞬間に窓の外を一緒に見ながら「雨だね」とか「日差しがまぶしい」とか、そう

いった言葉があったと記憶している。

しかし一方で、すべての入居者に使うものではないから、使わない時の置き場所や、いざ使うときに適切な場所に運んでくるときの

手間を考えると、結局無いものとして介助した方が楽…これも率直な意見であろう。

 

介護支援機器の本来の目的はそうではないのかもしれないが、介護職に健康な身体で長く従事してもらうための策として、

よりよく活用してもらいたいと願う。

 

 

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『療育者の困難感に関する研究 ―「子どもの療育をする上で困難に感じていること」への自由記述回答からの分析 ― 』横畑泰希・板川知央(2019)

2023-01-23 11:33:09 | 社会福祉学

『未来の保育と教育-東京未来大学保育・教職センター紀要』第6号

 

児童発達支援に従事する療育者が抱える困難について、自由記述方式の調査で明らかにしている。

人材不足が困難さを生んでいるという単調な展開ではなく、じっくりと現場の声に耳を傾け、問題点と課題を分かりやすく提示している。

 

引用

○(回答内容より抜粋)

 ・日頃から、発達障がいとはなにかについて考えていますが、自分の中で答えが出ません。

 ・同じ事業所の人間でも、療育を専門に長期にわたり行っているものがいないため、相談しても不安が常に付きまとう。

 ・時間的にも余裕がない為、勉強する時間も限られている。療育がマンネリ化していても、余裕のなさから、そこから抜け出しにくい。

 ・障害特性による心ない言葉の言い合いからの利用者同士のトラブル(に対する対応が難しい*管理者追記)

 

○調査結果より、困難感は3層構造として考えられる。(そういった中で)一つのタームが療育者の困難感の本態を表すものとして浮かび上がっ

 てくる。それは「混乱」である。

 第1層:表層 現実的問題としての困難感(子どもとの関わりに対して困っていること)

 第2層:中間層 中核的問題としての困難感(療育者を取り巻く環境の問題)

 第3層:深層 基底的問題としての困難感(自分問題)

 

 本論文で提示されている3層構造の困難感は、それだけの支援(サポート)を療育者側も必要としている、ということに繋がるのだと思う。

自身の感情や価値観といったデリケートな部分をある意味さらけ出し、技術として提供している部分もある。

それゆえに、受け入れられなかったり、つまづいた時には、そこへのサポート(スーパービジョンを含む)が繰り返し行われる必要があるのだ

と思う。しかしながら現状としては、スーパービジョンの機会は事業所や個人の努力(金銭面も含めて)にゆだねられており、

そこまでの教育の確保はなされていない。そこを無視して人材の育成や確保はできないのに、どうして手が行き届かないのだと、

歯がゆさを感じる。福祉の現場はどの領域に対しても、あと2歩、3歩以上の公的な後ろ盾が欲しいと感じた。

 

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「ふれあいの先に見えたもの~子どもが高齢者の心を動かした!~」宮脇真美、谷尾美貴恵、山名紀子『鳥取県社協HP』より

2023-01-15 09:45:58 | 社会福祉学

幼老複合施設における、子どもと高齢者のふれあい交流の実践報告。

具体的な交流内容とその効果について分かりやすくまとめてあり、現場での取り組みの参考になる。

 

引用

・アンケート調査より。保育士と介護士はともに、交流自体は肯定的にとらえているが、目指す「交流の形」がうまく共有できていないことが分かった。⇒「自然なふれあいを目指す」ことを確認

・具体的な取り組み⇒おやつの共食、おやつ後のお楽しみ(ジェンガ・トランプ・将棋など)/お昼寝トントン(高齢者による未満児の寝かしつけ)/郵便ごっこ遊び(感染症流行時)

 

保育園児が近隣の高齢者施設に訪問し、歌や劇を披露する。こういった取り組みは広く行われているが、コロナ禍で中断している地域も多いであろう。感染症対策、生活リズムの違いなど、高齢者と子どもとの交流には気を遣うことが多く、望ましいことは理解していても、実践に踏み切ることは難しいのが現状である。それでもなお、異年齢交流はやはり、楽しいし、メリットが多い!ということを教えてくれる。そんなとても暖かい実践報告だと感じた。

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