『社会福祉学』第64巻第2号
東日本大震災により自宅全壊の被害を受けた方たちに対し、半構造化インタビューを実施。スピリチュアルペインの経験とプロセスを明らかにし、求められるソーシャルワークについて検討している。
引用
・本論文におけるスピリチュアルペインの定義「解釈性、知覚性、関係性の欠如による存在意義の喪失」
・住家全壊被災者は、自分の居場所、想い出の場所を失う【住家・地元ロス】を一様に抱く。そこから【犠牲者の死の重圧】の中、【他者との不安定な関係】また【自責感からの死の後追い】に迫られ【内に秘めた不条理】に直面していく。
・①犠牲者の存在、②自己成長に誘う実存的気づき、③地元への特別な意味とイメージ、④言葉にならない想い、に配慮する災害時ソーシャルワーク実践の課題が示された。
本論文は、インタービューから得た言葉を丁寧にコード化し、それらが影響しあう背景を論じている。
また論文内では、住家全壊被災者のスピリチュアルペインの経験とプロセスについて、より分かりやすくまとめられている。
今後も予測されている地震等による自然災害に対して、「ソーシャルワーク」がいまから準備できることがあるのだと、気づかされた。