いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

相場師は時代遅れだった。 a speculator was behind the times

2015-11-18 19:54:08 | 日記
 (1)この国のパラダイム(paradigm)は確実におかしくなっているのは間違いない。安倍政権の大胆な金融緩和策(カネを従来の2倍を市場に回す)で円安株高現象を生んで企業業績の自然回復効果をもたらしたが、実体経済のともなわない株価操作による「見せかけ」(make believe)の経済効果による回復基調であって、貿易収支は連続赤字でGDPはマイナス成長が続き、個人消費はほんのほんの少しだけ上向きだが企業の設備投資はやはりマイナスで中国の経済減退が影響しており、日本経済の実体は悪い方向に後退して政府も対策に迫られている。

 (2)株高操作による「見せかけ」の経済回復基調の市場で特定企業の株価を意図的につり上げ操作(特定株大量購入)をして、数億円(報道)の暴利を上げていたとして株式サイト運営団体代表一族が金融商品取引法違反(相場操縦)の容疑で逮捕された。

 いわゆる株の「相場師」としてバブル経済期に悪名をとどろかせた大物相場師(報道)だった。

 (3)「兜町の風雲児」とか「時代のエース」とかマスコミ、ジャーナリズムが勝手に煽り、もてはやすから株操作ギャンブルがおもしろいように幅を利かせている変な社会でもある。
 バブル経済崩壊後も監視が強化される中で時代遅れの「最後の大物」相場師(a speculator was behind the times)として今も活動を続けていたが逮捕となった。

 (4)株そのものは期待込みの信用取引であって、実体のともなわない架空経済行為であるから、株操作経済は一喜一憂するゲーム、ギャンブルのようなものである。
 近年はアベノミクス株高効果に日本郵政3事業の上場で、一般投資家に加え初めて株投資をする主婦をはじめ一般人にも株投資への関心の高さがみられる。

 株投資ブーム再来につけ込んだとみられる真面目な善良な管理者としての投資家(特に一般投資家)をあざむき、ばく大な暴利をむさぼる反社会的な集団としての株相場師の生き残りの逮捕であった。

 (5)それはそれで久しぶりに忘れかけていたかっての時代錯誤の話題が復活したなとの印象であったが、同時に妻と息子(長男)も同容疑で逮捕された。
 その長男というのが大阪大大学院助教というのだから、二重の驚きであった。逮捕された長男は同大学院で金融理論などの研究(報道)をしていたということだから、丁寧にも株相場操縦の手口、手法の方法論(methodology)について高度で専門的な知識修得のために大学院教員として一族をあげて送り込まれたということなのか、この一族の時代感覚、理念にはあきれるばかりの不条理、理不尽(unreasonableness)さだ。

 (6)少し前には日大大学院名誉教授が反社会勢力と知りながら長年交際を続け、同人からの2千万円もの借金をいまだに返還せずにいて免職させられた矢先のことだった。
 同名誉教授は反社会勢力の同人を「紳士的でいい人」と言い、「反社会勢力すべてが悪いわけではない」などと強弁していた。

 高度な専門教育研究機関の大学院でこのような不適格な教員が相次いで摘発、逮捕されるとなると、社会のパラダイムがおかしくなっているあらわれではないのかと考えさせられる。

 (7)政治は社会を写す鏡でもある。事の始まりが今の政治になってからの前述の2例ではないが、安倍政権の独善的、野望政治が社会正義のパラダイムを歪(ゆが)め、損ねているのではないのかと気がかりだ。

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