いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

今年の話題ランキング。 this year's topics ranking

2015-11-27 20:02:33 | 日記
 (1)恒例の電通による消費者が選ぶ2015年「話題・注目商品ランキング」(10/31~11/2調査)は1位が「爆買い」で2位が「錦織圭」に「ラグビーWC2015年日本代表」が同位で、あとは「マツコ・デラックス」(4位)、「火花(又吉直樹)」(5位)と続いてベスト10に「北陸新幹線」、「自治体プレミアム商品券」などが名前を連ねている。

 政治の話題は対象外なのかベスト10に入っていないが、本来なら安倍政権の「安保法制の強行成立」が強く印象に残る今年だった。憲法学者、国民の多くが憲法違反だと主張している中で、政治は政治家がやることと無視して通常国会を9月末まで最長記録の会期延長をしての衆参強行採決の混乱の中での成立劇であった。

 (2)その安倍首相が国際会議などを通して中国の南シナ海の岩礁埋め立ての領土拡張主張による海洋進出に対して、中国に国際法の遵守を求める(これはこれで当然の論理)と言う国内対応とは正反対の厚顔無恥にはあっけにとられる。

 あと調査期間から見て、今年のノーベル賞同時授賞決定の医学生理学賞授賞の大村智さんと物理学賞授賞の梶田隆章さんは、昨年の物理学賞授賞の3名に続く日本の快挙で日本の先端的科学技術研究の高さを示すもので象徴的な出来事であった。

 (3)経済では東芝の歴代3社長による粉飾決算まがいの不正行為に東洋ゴムの耐震、旭化成(建材)ほかのくい打ちデータ改ざん、流用と名の通った企業がらみの企業倫理欠如、ガバナンス不在が相次いでブラック企業など暗い話題が多く、経済界、経団連は安倍政権の政労使会議、官民対話による政治主導の中で賃上げ、設備投資を強く要請されて、これまで以上に存在感をなくして安倍政権の「下請け」に姿を変えてしまった。

 これらがランキング上位に入っていなかったのは意外であったが、今の小市民的国民意識をよくあらわすものだ。

 (4)同ランキングでは中国観光客などによる「爆買い」が社会構造まで変えてしまう威力で注目された。低迷が続いていたデパートなど流通業界ではこれで一気に回復基調をもたらして、東南アジア購買者向けのサービス強化(通訳、ネイティブ表示)、免税コーナーがどこでも見受けられるようになって社会構造まで一変させる爆発ものだった。

 (5)スポーツでは2015年ラクビーWCでの日本代表の活躍は、ラグビー後進国日本がチーム実力がそのまま結果にでる(番狂わせが少ない)ラグビーで1次ラウンドで過去に優勝経験のある強豪国南アフリカ代表に勝利して上位3チーム同列の3勝1敗となって、歴史的な活躍成果を示したことは予想もしない記録すべき快挙となった。

 (6)冒頭のランキングタイトルに注目商品とあるように、しかしベスト10に入ったのは10位の「instagram」(無料画像アプリ)ひとつで、そういう意味では今年は商品開発で印象に残るものが少なかったということだ。

 自動車では自動運転機能車の開発競争が激しくなっているが、完成はこれからでまだまだ利用者にもインフラ整備、法整備、安全性も含めてイメージがつかみにくい段階だ。
 ドローンも安倍首相が2020年東京五輪までの配送などの実用化を目指しているが、今年は墜落迷惑事故の方が話題先行となった。

 (7)ベスト10を見ているとこれまでの東京スカイツリーのような耳目を集めたものと比べて総じて際立った注目度の高いものがなく、従来の延長線上の話題に終始しているようだ。

 小市民的国民意識(petite bourgeoisie)として身の回りの生活重視が強く、関心は賃上げに景気回復に集まっており、今年の話題も小粒で平凡なものに終始した結果のランキングだった。

 (8)国際社会はISテロがらみの欧米対ロシアの協力関係緊張もあり、波乱含みではあるが、来年は伊勢志摩サミットも控えて日本としても無縁ではいられない年を迎えることになる。

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