いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

習主席の外交手腕。 diplomatic talent of president Xi

2015-11-08 19:59:08 | 日記
 (1)オバマ大統領が17年1月退任を前に外交成果の総決算として長年国交断絶、経済封鎖状態のキューバとの国交回復を果たして、双方の大使館開設までこぎつけた。
 米国大統領は2期目の政権に入ると1年以上に及ぶ長い次期大統領予備選、指名選挙が始まって話題がそちらに集中してこれまで政権はレームダック状態になって政治力を失うと言われてきたが、オバマ大統領の場合はちょっと違う。

 (2)すでに米国次期大統領選候補者は出揃って、政策よりは支持率に話題が集まっている。民主党ではヒラリー・クリントン候補が私用メールを公務で使用した問題で一時支持率を下げたが、有力な対立候補者も見当たらずにその後再び支持率を上げて(報道)安定した優位に立っており、共和党は候補者乱立で決定力の欠ける凡戦状態だ。

 (3)伝わってくるのが強烈な政策論争ではなくて候補者同士の中傷、批難合戦ばかりなので、候補者の重量感はなく迫力不足は否めない。それでなのか、今年に入ってオバマ大統領は日本の安倍首相を迎えて日米首脳会談を開催し、そして中国習主席の初めての訪米を国賓待遇で迎えてまた同時期にローマ法王も訪米し、さらに訪米した韓国朴クネ大統領と日韓首脳会談を開催してアジア・リバランス政策の総仕上げをするかのように存在感(existence)を示している。

 (4)すでに米国の政治は次期大統領選出への関心に移っているのに、アジアの首脳がこぞって訪米して実権の薄れたオバマ大統領と首脳会談を行う意味、意図はよくわからないが、次期大統領が決まる前にリバランス政策でアジアへの関心も高くすでに政策も精通してこれ以上新味はないオバマ大統領と会談して「米国」との関係に糸口、道筋をつけておきたい意向があるのではないのか。

 次期大統領候補者を見ると、いずれの考えも中国に対しては強硬姿勢が見られる(報道)だけに、その前に実権が移りつつあるとはいえまだまだ「米国大統領」の政治ブランド力の存在感、影響力と関係パイプを維持しておきたい意味、意図があるのではないのか。

 (5)その構図とよく似ているのが昨日シンガポールで1949年分断以来、初めての中台首脳会談の開催実現だった。現在台湾では次期総統選が実施されており現在の馬英九総統の退任(16年5月)は決まっており、その総統選では台湾独立志向の強い野党候補者が大きくリード(報道)しているといわれており、その前に「対中融和路線」を推進してきた(報道)馬総統との初めての歴史的な中台首脳会談を開催して話題を集めて、「ひとつの中国」への環境整備、政治的布石を打ったと見られる。

 (6)中国習主席が米国オバマ大統領、台湾馬総統と、ともにすでに退任が決まって事実上政治的実権が薄れてきている首脳との初めての首脳会談を今年相次いで開催したのは、中国のアジア圏の政治、軍事、経済への強い影響力(influence power)誇示を示す、確立するための政治的意味、意図が考えられる。

 ともに新しい政権誕生では、中国への強硬な政治姿勢が考えられる情勢なだけに、「その前」に中国のアジア圏支配確立(他国の関与、口出し否定)への布石を打ったと見ることができる用意周到な政治外交戦略だ。

 (7)オバマ大統領は次期大統領選の凡戦で結果として米国内ではかえって存在感が注目されているが、国際政治力となると方針のブレ(gap)が続いてすっかりロシア・プーチン大統領にイニシアティブ(initiative)を奪われており、それに乗じた中国習主席の用意周到な一連の外交手腕(diplomatic talent)だ。

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