いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ラグビーと野球の国際性。 internationalism of rugby football and baseball games

2015-11-20 19:59:06 | 日記
 (1)世の中は経済を中心にグローバル社会だから1国主義というのは薄れつつある。1国主義を助長するものに五輪でのメディアによる国別メダル獲得ランクがあるが、グローバル化した国際社会には似つかわしくないもはや古い時代、時代錯誤の国威発揚主義を感じさせるものだ。

 五輪出場選手は国の代表として国旗のシンボルエンブレムをつけて競技に臨むが、最後のところは個人アスリート能力としての威信にかけて勝負をかけるのは間違いないだろう。
 国はスポーツ環境を組織、財政で後押ししてくれるだろうが、フィールドで競うなかでは後押しなんかできないからだ。個人のアスリート能力にかけて勝負するだけだ。

 (2)ところがロシアのアスリートがドーピング(doping)疑惑について組織、機関をあげての指導、指示があった(趣旨報道)ことを告白して、ロシア全体がドーピング関与の疑惑が指摘されて世界反ドーピング機関(WADA)からロシアアスリートの国際試合出場停止、ロシアが主催する国際スポーツ競技大会の開催を認めないよう要請されている。

 ロシアは国としてのドーピング関与を否定して、関与したアスリートと国の責任を切り離して関与していないアスリートの国際大会への出場を認めるよう要請しているが、「立証(proof)」責任はロシア側に投げかけられている。

 (3)仮にロシアのドーピング関与アスリートの「告白」が正しいとすれば、ロシアは国としてのスポーツ成績成果にこだわって組織的、人為的に成績を向上させるドーピングに手を染めて国としてのスポーツ成果を強調しようとした時代錯誤の1国主義といわざるを得ないことになるだろう。
 国際大会からのロシア選手の出場取り消しが相次いでいる。

 (4)今秋、イギリスで開催されたWCラグビー大会は日本代表が1次リーグで過去に優勝経験があり今大会も3位となった強豪国南アフリカ代表に勝ち、3勝1敗としてわずかに同勝敗の2代表に勝ち点差で及ばずに準決勝進出はならなかったが、世界のラグビーファンに強烈なインパクト(impact)を与えた。

 ラグビーはこれまで五輪にも参加せずに独自のスポーツスタンスを貫いて、国代表スタイルはとっているが資格は外国人でもその国で3年間プレーをすればその国の代表になれるという規定のもとに、日本代表にもフォワード中心に多くの外国人ラガーが代表として出場している。

 (5)五郎丸選手のキック力など日本人ラガーの活躍もあったが、体格にすぐれた外国人ラガーの日本代表参加が躍進の原動力になっているのは間違いない。
 当時のジョーンズHCの練習内容を含めた指導力も大きかったといわれているが、そのジョーンズ前HCも日本代表の今後の強化課題について日本人ラガー(特にフォーワード)の育成が大事になってくると指摘している。

 しかし、外国人ラガーも「桜」のエンブレムの日本代表ジャージー(ユニフォーム)を着て日本人ラガーと一体となって必死にプレーするスタイルはグローバル社会を象徴するような展開であり、また活躍のインパクトでもあった。

 (6)一方で今開催中の野球国際大会「プレミア12」では世界ランキング1位で1次ラウンド負けなしの日本代表が昨夜の東京ドームでの準決勝で韓国にまさかの9回逆転負け(日頃は日本プロ野球でプレーする韓国選手の逆転打)を喫した。

 大谷投手が7回まで1安打0点に抑えて3-0で有利に試合を進めて交代したまでの試合展開では勝利も固いものがあったが、9回表に救援陣が打たれて逆転されるとその裏の最終回の攻撃では跳ね返す力はなかった。

 (7)日本代表はすべてプロ野球日本人プレーヤーで各球団の中心選手で固められていたが、ペナントレースの外国人プレーヤーもメンバーに入っているのに比べればどこか「物足りなさ」の残るチーム力に感じた。

 日本人プレーヤーもケガなどで必ずしも適材適所に全員選べたわけでもないが(大リーガーは不参加)、ここぞという時のもうひと押しの物足りなさはあった。

 (8)国際大会のむずかしさでもあった。一方でこういう野球方式の国際大会を見ていると1国主義が頭をもたげてきて、勝利のために、国の名誉のために手段を選ばない反スポーツ精神性(ドーピング)との矛盾を思い知らされる。

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