いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日韓の失われた3年半。 lost 3.5 years between japan and korea

2015-11-02 19:52:00 | 日記
 (1)ソウルで3年半ぶりに日中韓首脳会談とあわせて日中、日韓首脳会談が行われた。安倍首相としては就任以来初めての韓国訪問であり、韓国朴大統領とはともに就任以来初めての首脳会談となった。

 日中韓首脳会談を前にした首脳揃い踏みでは、にこやかな日韓首脳とは別にニュース映像で見る中国の李克強首相の固い表情が印象的で、議長国の朴大統領が促(うなが)して3首脳が結束を示すための両手を合わせる仕草でも距離を置いてぎこちなさが印象的であった。

 (2)日本とは歴史認識問題で、南シナ海での中国埋め立て基地の中国が主張する領域への米軍艦船の進入問題では航行の自由保障として米国を支持する同盟国の日韓と対立する中国の首相としては、おいそれと日中韓の結束を示す両手合わせなどできない事情、心境のぎこちなさだったのだろう。

 (3)日中韓共同宣言では、今後日中韓首脳会談を定例化(ordinary council)して来年は日本が議長国を引き継ぐことを期待すると述べて、課題の多い日中韓関係で今後の話し合い継続を確認したのは成果となった。「期待する」という表現に中韓の日本に対する硬いこだわりが見られる。

 日中、日韓首脳会談ではともに歴史認識問題、南シナ海問題で重要懸案事項を抱えて3年半ぶりまた初めての日中韓、日中、日韓首脳会談で微妙な問題を解決に導く手はずもない中で、対立のまま会談内容を「公表しない」(報道)、公表できないものもあり、首脳会談としては異例の懸案を抱える日中韓の関係を象徴する会談会見となった。

 (4)今回の日中韓、日中、日韓首脳会談では、双方のこれまでの主張を述べ合っただけで、ともに譲れない課題解決の深刻さだけが残ったということだろう。
 それでもこれから日中韓首脳会談を再び定例化して、来年は日本で開催可能としたことは課題解決に向けてこれまでのように会談もせずに反目しあうだけでなく、双方が取り組む姿勢を見せた点で意義があった。

 (5)韓国メディアでは「国民間の感情問題の深刻さも、朴政権が首脳会談の開催へ踏み切った要因の一つ」(報道)といわれており、朴大統領が日中韓首脳会談に先立っての日本のメディアとの書面インタビューでは「年内にこの問題(慰安婦問題ー本ブロク注)が妥結し、(両国民のー同)傷が癒(いや)されるように心から願っている」と述べている。

 慰安婦問題は日韓関係の重要政治課題であり見過ごすことのできない人権問題ではあるが、戦後国家間の政治一括処理で決着済みとする日本側とは大きな溝があり、両国が納得する形での解決は容易ではない。

 (6)しかしこの問題で両国の国民感情(national feeling)をこれほどまでに悪化させたのは、、朴大統領と安倍首相の態度だ。朴大統領は機会があるごとに直接日本に対してよりはえん曲に世界に向けて日本の対応を批判してやたら国民感情を煽(あお)り、安倍首相は安倍首相で当初は靖国参拝に固執して中韓感情を逆なでして問題をより深刻化させた当事者責任がある。

 もっと旧日本軍のアジア侵略支配による被害国と加害国の当事者として問題理解、解決に向けて相互努力するべき立場であるべきであった。

 (7)その間でも日本では韓流ブームが起きて韓国からもタレントの来日が続き、国民感情としては排他的なものではなかった。それを嫌韓、嫌日感情に強めていったのは政治の反目、排他的対立である。

 もっと日韓政治双方に問題解決とはいかなくても無視しあう関係ではない取り組み方があったはずだ。

 (8)結局は政治自らが問題解決の取り組みを避けて自ら深刻化させて、ついには国民感情を煽り出口が見えなくなってようやく元の首脳会談の必要性に立ち戻ったという、彼らは政治的には意味があると言うのだろうが、失われた3年半(lost 3 years and a half between japan and korea)であった。

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