いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

民意的政権誕生。 the birth of government by public opinion

2015-11-21 19:35:23 | 日記
 (1)パリでISがらみとみられる競技場、劇場などを襲って百数十人の犠牲者を出したテロ事件が起きたばかりで、今度は西アフリカのマリで武装グループがホテルに立てこもり人質をとって18人が死亡するというテロ事件が起きていた。

 マリは旧仏領で現在もマリ政府の要請にもとづいて同国内のアルカイダ系などの反政府組織制圧のために仏軍が駐留(報道)を続けている。パリテロ事件に呼応したかのようなフランスを標的にしたテロ事件の拡大ともいえる。

 (2)ともに10人に満たないテロリストたちが武装して無防備で日常生活をいつものように過ごす「一般市民」を標的にして、多くの犠牲者を出すという、革命などとは無縁の極悪非道の無差別犯罪行為だ。

 パリのテロ事件ではテロリストたちの多くが自爆テロを敢行して防ぎようのない、見境のない攻撃が目立った。報道では第2次世界大戦での旧日本軍の「特攻」になぞらえて「カミカゼ」の文字も見かけられたという。
 パリテロ事件はISが犯行声明を出しており、イスラム過激派思想に取り込められたとみられるテロリストたちの見境のない死を覚悟の自爆テロとみられる。

 (3)旧日本軍の「カミカゼ」特攻は儒教思想に根差した戦前の日本社会で、寺院も多く仏教が多く取り入れられていたとはいえ特に国民的な統一宗教観を持たない日本社会で、極めて特異な国体に殉(じゅん)ずる自己犠牲(self victim)の精神性であったが、一種の社会的ニヒリズム(nihilism)、マゾヒズム(masochism)であったように思える。

 追い詰められた人間のつくり出す虚無感であって、「自爆」攻撃は組織崩壊(the end)へのプロローグだ。歴史が証明している。

 (4)パリなどの自爆テロ、無差別テロに注目が集まる中で、軍事独裁政権の民政移管後初となる総選挙が行われたミャンマーで20日にすべての開票結果が確定(報道)した。

 人権活動家で政治家のアウンサンスーチーさんが率いる最大野党NLDが全議席の80%(390議席)を獲得(報道)して圧勝した。これまで選挙結果を無視してきた与党も軍も今回の選挙結果を尊重する(報道)と表明しているので、このまま来年1月の議会でアウンサンスーチーさん率いるNLD主導の新政権が誕生するものとみられる。

 紆余曲折はあってもミャンマー総選挙が実施されて、選挙結果が発表されてそれが尊重されるという時代の変革が始まっている。

 (5)アウンサンスーチーさんは同国憲法規定で大統領の資格はないが(息子が英国籍)、選挙戦中から「大統領の上に立って、自らの政策を推進する」(趣旨報道)と公言しており、NLDはミャンマー議会の上下院ともに過半数を有して(報道)法案の単独通過も可能となっており、言動どおり政策実行にも展望はある。

 あとはかっての軍事独裁政権として議会にも一定の勢力、影響力を持つ軍との関係調整が課題というところか。

 (6)しかし、欧州、アフリカが国際過激派組織のテロ攻撃で騒然となっている中で、かっての軍事独裁国家のミャンマーで「総選挙」の結果、圧倒的多数の「民意」で人権活動家でNLD代表政治家のアウンサンスーチーさんが率いる新政権が誕生する(the birth of government by public opinion)実現性が大きいというフェノメノン(phenomenon)は大きな意義がある。

 こういう政治的現象、流れを国際政治、社会は注視して、後押しして国際政治、社会の民主的パラダイム(paradigm)の必要性、重要性を共有して、自虐的、自暴的テロに対峙して制圧に向けてのあかるいきざしにすべきことだ。

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