いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

人間の叡智とスパコン。 human intelligence and super computer

2017-12-06 19:57:29 | 日記
 (1)羽生善治棋聖(47)が竜王タイトル戦に勝利して竜王となり、また前人未到の永世7冠(全7タイトルを規定回数獲得防衛)を達成した。羽生さんは21年前に26才の若さで前人未到の当時の全タイトルの7冠をすべて獲得する偉業を達成していた。

 どちらがどれほどスゴイのかと言われれば、どちらもあり得ないほどスゴイことというしかない、将棋タイトルの完全制覇という今後仮に肩を並べる棋士が現れるとしても絶対に超えられることのない偉業だ。

 ②その羽生さんも最近は自らのタイトル戦で若手棋士の挑戦を受けて負けが続いて、棋聖の1冠だけとなっていた。不調を伝えられた時に将棋連盟会長の佐藤康光棋士が、タイトル1冠を保持している羽生さんを不調などと言うのはおかしな話だとの趣旨発言をしていた。

 天才が集結して激しいランクごとの対戦をくりひろげてリーグを勝ち上がって昇段してタイトルに挑戦できる将棋界で、タイトルに挑戦できる機会さえ大変なことであり、ましてタイトルひとつ獲得することも至難な世界で47才でタイトル1冠を保持する羽生さんの強さの評価は変わるものではないということだ。

 ③今回の前人未到の永世7冠の達成で、また羽生さんの実力をあらためて実証してみせた。その将棋界も近年はAIコンピュータとの対戦が関心を集めて、羽生さんも興味を示していた。

 (2)こちらは羽生さんが偉業を達成した日にスーパーコンピュータの時代の旗手として開発を手掛けるベンチャー企業の社長(49)が、数億円にのぼる不正利得を得たとして詐欺容疑で逮捕された事件だ。

 同社長のベンチャー企業が開発したスパコン(super computer)は「世界第4位の計算速度があると評価」(報道)された。

 ②スパコン開発は中国企業が先行して日本でも関連大企業が開発にしのぎを削っている中で、一ベンチャー企業が開発に取り組み成果を出すことは異例のこととみられている。

 NHK報道特集番組でも同社長をスパコン開発者として取りあげる予定だったが、今回の詐欺容疑事件で見送り(報道)となった。

 ③正確無比で大量の情報を瞬時に計算仕分けするスパコンの世界的に注目を集める開発研究者が、ありえない架空の事業費用を創出して政府外郭団体の助成金を搾取していたという事業の進むべき道の計算を取り違えていた。

 ④ベンチャー事業は成長戦略のダイナミズム(dynamism)として期待される分野であり、スパコン開発でも大企業中心の中で異例のベンチャー企業としてしかも成果をあげていただけに、コンピュータ構図と対極にある詐欺容疑事件でスパコン研究の期待を集める責任者(社長)が逮捕されていたとはあまりに皮肉な結果となった。

 ⑤産業界では日本を代表する企業群で長年にわたる企業統治、倫理の低下、不正の横行が続いていることが発覚して、これまで日本社会を欺(あざむ)いてきたが、AIコンピュータ進化に頼るあまりの人間の叡智について見つめ直す必要があるだろう。

 将棋界でも対局中のスマホ閲覧が不正としてとらえられて一時問題(同事例は潔白が認められた)となった。

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