いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

米国の深刻な孤立主義。 serious isolationism of usa

2017-12-22 20:12:42 | 日記
 (1)米国が北朝鮮に対する追加制裁決議案を国連安保理事国に提示した。石油精製品の9割を禁輸とし、海外出稼ぎ労働者の北朝鮮返還を求める(報道)もので北朝鮮の息の根を止めようかという強力な経済制裁だ。

 その前に安保理では米国によるイスラエルのエルサレム首都容認に対する撤回の賛否が問われていたが、ひとり米国が拒否権を行使して否決されていた。

 (2)今度は中露からそのお返し(拒否権行使)がきそうな米国の北朝鮮追加制裁案だ。今朝の閣議に向かうために首相官邸の報道陣の前にあらわれた安倍首相の顔には疲れた表情(TV)がみられて、同じく定例記者会見の菅官房長官の表情にも同様の疲労の色がみられた。

 今朝未明(日本時間)に国連総会の緊急特別会合で米国のエルサレムをイスラエルの首都と認定したことを無効とし撤回を求める決議案が、「日本」も含めて賛成大多数(TV報道)で採決された。

 (3)日本はトランプ大統領の同容認発言後、世界各国の首脳がこれに反対する意向を表明する中で沈黙を守ってきたが、ここでは撤回を求める決議案に賛成した。
 日本は中東諸国とはこれまで友好な外交関係を保ってきて、独自の外交路線を築いている。

 日本への石油輸入の大部分を中東産油国に委ねる、頼っている日本としては、中東イスラム、アラブ諸国が米国のエルサレム首都容認に反対している中でさすがに米国追随外交で撤回反対という訳にはいかなかった。

 (4)今朝未明からの国連緊急特別会合での意思表明を巡って米国との調整、話し合いが続いていたものと考えられての、米国の意向に反する日本の撤回決議案の賛成という「苦渋」の選択が前述のように今朝の安倍首相、菅官房長官の疲労の色としてあらわれていたのだろう。

 (5)国連安保理では北朝鮮の孤立化を狙って強力な経済制裁を実施してきた米国であるが、エルサレム首都容認では一転、トランプ大統領と親密な間柄といわれる安倍首相の日本も撤回賛成に回って米国が完全に孤立(isolationism)してしまった。

 米国はこれに先立って同決議案の賛成国には米国の多額の支援援助を打ち切る「おどし」をかけていたが、特別な良好関係の安倍首相の日本に対してどういう出方をするのか、話し合いがついているのか、さすがの米国トランプ大統領としては大多数の撤回賛成の加盟国を向こうに回してすべて強権発動という訳にもいないだろう。

 (6)それでは米国の孤立化はエルサレム首都容認どこころではない深刻な国際問題となって、世界の安定均衡に重大なインバランス(imbalance)を招くことになる。
 トランプ政権にとってこれまで公約としてきた法人税大幅減税が公約として初めて議会を通過する見込みの中でこれからという時に、エルサレム首都容認問題、米国孤立化が重くのしかかる。

 (7)北朝鮮の孤立化どころではない、米国の深刻な孤立化を迎える。世界は分断から米国第一主義という孤立時代を迎える気配だ。

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