いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ノーベル賞業績の後先き。 after and forward of achievements of nobel prizes

2017-12-12 19:43:32 | 日記
 (1)今年のノーベル賞には日本人の名前はなかったが、文学賞の日系英国人作家のカズオ・イシグロさんは両親がともに日本人で(その後渡英)、本人も5才まで長崎で過ごした日本人であり10日スウェーデンのストックホルムで開かれた授賞式では、長崎で母親からダイナマイトを開発したノーベルが獲得した資産で世界平和のためにノーベル賞を立ち上げたことを聞かせられて、「私は長崎にいた時、既に多少なりとも賞の意味を理解しており、今も理解しています」(スピーチ報道)と述べている。

 (2)イシグロさんの母は長崎での被爆者だ。スピーチではnobel prizesを母から聞いた「ノーベル・ショウ」と日本語で語りかけていた。これからは文学を通して分断をなくする仕事に取り組むことを表明していた。

 ノルウエーのオスロで行われたノーベル平和賞授賞式では国際NGOの核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が授賞し、これに協力してきた日本被団協の代表も参列した。
 ともに広島、長崎での原爆投下により被害を受けた日本の被爆体験がかかわる今年のノーベル文学賞、平和賞となった。

 (3)今年は国連で120以上の国、地域が参加して核兵器禁止条約が締結されたが、核保有国や唯一の戦争被爆国日本はこれに参加していない。北朝鮮では核兵器開発が進められて米国本土も射程に入るICBM搭載も可能との観測も聞かれる。

 09年には当時オバマ米国大統領がプラハ演説で「核のない世界」を宣言して、その年のノーベル平和賞を授賞した。

 (4)しかし、その後二大核保有国米露の戦略核兵器削減交渉は進展せずに、ロシアのプーチン大統領はクリミア半島編入でのEUとの対立で一時、核兵器の使用準備を指示したと後日談で話している。

 ノーベル賞は先端的科学、医学、文学、経済、平和分野の業績(achievements)、功績が将来にわたって世界人類の進歩、成長、発展に寄与することが期待されており、カズオ・イシグロさんが社会の分断をとり除く仕事をすると言い、ICANが「核兵器の終わりの始まりにしよう。核による絶滅の脅威を永遠に除去して」(同報道)と核兵器禁止条約への参加を呼びかけている。

 (5)日本政府は「核兵器国と非核兵器国の双方に働きかける」(報道)として、同条約はこのようなアプローチとは異なるとして参加しない方針をあらためて表明している。

 核保有国が既得権益としてこれを守り核廃絶に向かわない中で、後発国のイラン、北朝鮮の核開発は認めないという論理矛盾が核廃絶を阻害してきた。

 (6)ノーベル平和賞の前オバマ米国大統領の役割、使命、功績は終わっていない。

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