いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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トランプ大統領の経済感覚政治論。 poligtical theory of economic sense of president trump

2017-12-08 19:51:22 | 日記
 (1)トランプ大統領の判断能力、基準は大統領、政治家のものではなく、経済人、経済感覚(economic sense)そのものだ。
 米国第一主義、保護主義が自国利益優先主義で、大統領就任後最初の大統領令がイスラム移民の入国拒否宣言で、問題となる原因を排除することにより自国の利益を守るという効率主義であり、多民族国家としての共存、共益性、複雑な民族戦争の犠牲者を受け入れる大国としての配慮、寛容さという政治的な調整能力、判断、基準を欠く姿勢が鮮明だ。

 (2)今回のイスラエルのエルサレム首都容認決定発言も、これまでの米国大統領はイスラエルとパレスチナの長年にわたるエルサレムを巡る対立、紛争の火種として、イスラエルを支持しながらもエルサレム入植、占領支配には政治的判断から自制(self control)を促してきた。

 今回のトランプ大統領のエルサレム首都容認論は、経済人なら、経済感覚なら少しは理解できる戦略ではないのか。

 (3)エルサレムは現在イスラエルが占領支配して、イスラエルとパレスチナの対立紛争は表向きはかってほどの一触即発のような深刻な状況ではなく、パレスチナ側でも比較温厚なイスラム原理主義組織が実効支配しており互いに非難し応酬して暴力に訴える状況にはない。

 イスラエルが占領支配するエルサレムの支配固定化を狙って首都(容認)とすることによって、固定事実化を進めてイスラエルの占領支配、さらに国有化を動かし難いものにしようという経済原理の手法だ。

 (4)かって独占禁止法違反に問われた企業の社長が、社員に対してそれじゃ残りのすべての市場を手に入れてくるよう指示したという逸話があるように、企業の経済原理というのは優位にあるもの、核を起爆(dynamism)にしてというよりは、外部、周辺にあるものをさらに獲得して優位を確固たるものにして組織を巨大化し前に進むという習性がある。

 トランプ大統領のエルサレム首都容認発言も、イスラエルがエルサレムを占領支配しているから首都にしようという論理よりは、エルサレムを首都にして占領支配を動かし難い確固たるもの、国有化として認めさせようという経済原理的手法だ。

 (5)政治的に考えれば、イスラエルのエルサレム占領支配の実効性をパレスチナとの領有権交渉で有利に働かせて、優位性、寛容さでパレスチナに恩を見せつけるかというあるいはそれで譲歩を勝ち取るか多様(diversity)に考えることになる。

 トランプ大統領のエルサレム首都容認発言は、またイスラエルのエルサレム占領支配という力の支配の現実も突きつけた。最近はイスラエル、パレスチナの対立紛争も大きな騒ぎとなっていなかっただけに、その中で進んでいたイスラエルのエルサレム占領支配だった。

 (6)国際政治、社会はイスラエルのエルサレム占領支配の力の支配について、もっと敏感に注目、関心を集めてこの問題の解決に向けて国際政治、世論を喚起すべきであった。

 トランプ大統領のエルサレム首都容認発言には、忘れられていたようなイスラエルのエルサレム占領支配、力の支配問題こそが背景、根底にあるということを認識しなければならないことを再認識させられた。

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