いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国民性と生産性。 nationality and productivity

2017-12-23 20:02:09 | 日記
 (1)国民性(nationality)というものがある。北欧は社会保障制度が充実して、みんなで分け合い(sharing)、助け合う社会性、精神性が高い。生活保護解消のために国民全体に生活最低保障の金額を支給するベーシックインカム(basic income)制度の実験を実施している。

 日本の合理性社会から見るとそれじゃますます社会復帰の努力が遅れるといらぬ心配をする人もいるが、ベーシックインカムで働く意欲が向上する(報道)というデータ傾向もある。
 なかなか日本では導入がむずかしい国民性、社会性がある。教育の無償化でも財源が不足するとかで対象大学などを政府が選定するという話も自民党から出てきて、ひと筋縄ではいかない。

 (2)1人の労働者が一定の労働時間でどれだけのモノやサービスを生みだすかを算出した「日本の1時間当たりの生産性」は、約4700円でOECD加盟の35か国中20位でG7で最下位(報道)となった。

 同統計開始の1970年以降G7で最下位が続いている。安倍首相は生産性革命を主要政策として表明して、来年度予算では4千億円程度を予算化した。中小企業のものづくり支援、IT、AIの導入、開発支援に税投資して生産性向上に努める。
 銀行業では窓口業務、新商品開発などにAI導入、活用して、人に代わる業務改革を進めるところが増えている。

 (3)安倍首相はもうひとつの主要政策として人づくり革命をあげて、教育の無償化、保育所の充実を進める。AIの導入は生産性を向上させるがその分人の雇用は減らされる訳で、雇用改善が進んでいる日本社会としては痛しかゆしのところもある。

 来年は18才人口が減少する人口問題年で本格的な少子化時代の始まりを迎える。厚労省が発表した17年人口推計では出生数が2年連続で100万人を下回り、人口自然減が40万人となり統計開始以後最大を記録する見通しだ。
 少子化時代では労働人口が不足するのでIT、AI活用は必然の成り行きではあるが、数十年後には65才以上人口が半数近くを占める社会というのもどう想像していいのか、効果的な対応、対策もむずかしい。

 (4)そこで日本の国民性だが、一般的には勤勉で協調性が高く、がまん強く従順で保守的といわれている。
 日本の産業はその国民性をいかした中小企業のものづくりが支えてきた歴史がある。手づくりの細かい器用な技術力に長(た)けて、ていねいで正確、豊富な製造力に優れているが、効率的ではなく生産性が高いとはいえない。

 こうした国民性、社会性がこれまで生産性がG7で最下位という評価となっている実情もあるのだろう。

 (5)生産性の向上は国力、国民力、生活力の向上には欠かせないが、中小企業のていねいで正確な技術力に支えられた忍耐強い経済力も日本の国民性、社会性が育(はぐく)んだ成長力だ。

 先端的開発技術力が求められる時代に日本の国民性、社会性が寄与することは、近年のノーベル賞授賞者が続いている評価で実証されている。GDP世界3位の日本だ、生産性ばかりでないものづくりもある。
 IT、AIとのあたらしい未来志向の共存社会理念を考えることが必要だ。
 

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