いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

九十歳。何がめでたい論。 esprit of 90 years old , what auspicious

2017-12-11 19:43:52 | 日記
 (1)佐藤愛子さんの著書「九十歳。何がめでたい」は、本音が聞けてインパクトのある題名だ。卆寿といわれて長生きを祝ってくれるが、体のあちこちは弱ってきて自由も利かないし、他人の手を借りることも多くなって若者からは煙たがられて「何がめでたい」というのは本音だろう。

 この佐藤愛子さんの「九十歳。何がめでたい」は2017年の年間ベストセラー総合1位となり、110万部を突破した(新聞広告欄)とあるから、佐藤さんこれで十分「めでたい」のではないのでしょうか。

 (2)本が読まれなくなって久しいが、数少ないミリオンセラー本ということでやはり本音本というのはインパクトがあって興味と関心が集まるという証明だ。フェイクニュースで大人の裏のかけひきばかりみせられて、本音が見えない、聞こえない社会で「本音」(confession)で語り合うことはもちろん大切なことだ。

 もちろん「九十歳。何がめでたい」のウイット、エスプリ(esprit)があっての本音のおもしろさを忘れないようにしないと、思わぬ展開にも見舞われることになるから注意が必要だ。

 (3)そうしていたら同じ新聞のやはり広告欄で、こちらは14才の女子中学生が「さよなら、田中さん」という本を書いて出版して、有名作家の賛辞の声が載っていた。
 デビュー以来29連勝の中学生棋士(4段)といい、中学生作家の登場で若者も負けてはいないという本当は年寄りも若者も頑張っている心強い社会でもある。

 願わくば高年令者と若年層、それぞれの中での分断、格差対立が社会問題とならない共存社会であることを願うばかりだ。

 (4)数十年もすれば65才以上が国民人口の半数近くを占める日本のセパレート(separate)社会というのはどういう社会なのか、想像もつかないが、分断と格差が大きくなって混沌とした一体感のない社会となっている可能性はひとつの現象として考えられる。

 佐藤愛子さんのような痛快な高年令者(good jolly aging)が増えれば、世の中おもしろくなることは請負だ。
 なにしろ高度経済成長を担って支えてきた団塊の世代であり、政治思想に翻弄(ほんろう)された学生運動セクト主義世代でもあるので、これまでの高年令者とは違う何かおもしろいことをやり始める期待もある。

 (5)人生100年時代といわれて100才以上の仕事に意欲を示す人もいて、90歳で何がめでたいということ、意味もあるのだろうし、年金問題も含めて日本の超高年令化社会、セパレート社会でのあたらしい価値観、社会思想を構築しなければ幸せとはならないだろう。

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