(1)岸田首相、総裁が10日に内閣改造と自民党役員人事を行う。何のための改造人事なのかわからない。岸田内閣がこれまで何をしてきたのか、岸田内閣支持率が比較高止まりで安定している(ここにきて急落傾向)のも「何もしないからだ」と党内からも皮肉な感想を受けている。これから本当にましな仕事をしようという改造人事なのか。
(2)岸田首相が動いたのは、世界的な石油価格の高騰を受けて国内流通費の高騰による物価高に見舞われ、石油元売りに補助金を出してGSでのガソリン価格の安定をはかろうとしたものだが、実際は乱高下を繰り返して効果があったのか、そもそも国民投資(税負担)を使ってのガソリン価格の安定は消費者にとってはどこかのモノの価格が安いからといって車を使って買いにいってガソリン代がかかり、結局は近くの店で少々高いモノを買った方が安くつくといった類のもので、国民消費者にとっては利益だったのかは考えものだ。
(3)石油業界のガソリン価格の設定方法(変動相場)の見直し、検討をすべきだった。コロナ対策でも昨年末に感染者が急減した時に医療協力体制、病床確保を整備するといいながら、今夏これまで最大感染規模で世界で感染者1位の急激爆発的な感染拡大を受けて主流の変異株「BA・5」は重症率が低いこともあり、活動制限はせずにじわじわと医療ひっ迫、病床使用率の高まりが押し寄せて昨年末の医療協力体制、病床確保の見直しはどう効果を及ぼしているのかはわからない。
(4)岸田首相は国連で開催のNPT(核拡散防止条約)に日本の首相として初めて出席して演説したが、これは核保有国の既得権益は認めて核拡散を防ぐ理念であり、日本は国連の核兵器禁止条約には締約国として参加せずに理念が前後逆転している。
(5)岸田首相は今夏の物価2.2%上昇を欧米(7~8%)に比較して低く抑えて政府の経済対策の効果が出ていると自負しているが、欧米の賃金の高さに比べて日本企業の賃金の低さ(先進国で最下位ランク)が指摘されており物価上昇率だけでは比較できない社会経済構造の違いも背景にはある。そもそも賃金上昇のともなわない物価高騰を国民消費者は受け入れない。
(6)欧米中央銀行の金利上昇にひとり日銀は金融緩和策を継続して急激な円安による物価高騰を招いており打つ手がない。
(7)結局こうしてみてくると岸田内閣の1年は「何をしてきた」のかわからず、実績は見当たらずに、岸田首相が目指す新しい資本主義、成長と分配の好循環も検討会議は進めているようだが成長論のアベノミクスに傾いて実体がみえてこずに、「何もしない」内閣からの脱却は程遠い。