(1)誰を大統領に選ぼうと国民の自由、判断、審判であるが、誰を大統領に選ぶかは国家、社会、国民にとっては重要だ。当時米国の不動産王といわれたトランプ氏が民主、共和二大政党の既成政治打破を狙って、米国の強い経済力社会の恩恵を受けない白人マイノリティー層の支持を受けて大統領選に立候補して米国第一、保護主義のわかりやすい論理で強いアメリカを願望する国民の関心を引いて、当時全国紙が国務長官を歴任して政治経験の豊富な民主党ヒラリー・クリントン候補が優勢と報じた大統領選に勝利して、米国の変化をみせつけた。
(2)米国は世界の政治,軍事、経済をリードして桁違いのGDP世界1位国であり、その象徴としての成功例のトランプ氏の存在感だった。政治経験のないことがそれまでの国際基準、規範を無視した自由奔放な行動で世界政治、軍事、経済、社会に混乱を招き、米中貿易戦争の影響は関税強化による輸入物価の高騰で国民生活の負担を大きくした。
(3)さすがに4年後の再選を目指したトランプ大統領は政治的、社会的混乱を招いたことからから民主党バイデン候補に敗れて、この時大統領選の不正を主張して自身の支持者らを連邦議会に押しかけさせる煽動発言をしたとして議会公聴会で責任を問われた。
(4)トランプ前大統領は今年11月中間選挙に向けて大統領辞任後初めて首都ワシントン入りして、2年後の大統領選への意欲を示している。これに合わせるようにFBIがトランプ氏のフロリダにあるリゾート施設を兼ねる邸宅を国家機密文書の不法持ち出し容疑で家宅捜査(報道)した。米国でも元大統領の邸宅をFBIが捜査に入ることは異例といわれる。
(5)上空からのトランプ邸宅(報道写真)はデェズニーランドのようなアミューズメント施設で、やはりアミューズメント施設併設のマイケル・ジャクソンの邸宅もこのような規模であった(報道映像)ことを思い出した。
(6)といっても米国ではとりわけめずらしくもないIT巨大企業家群、資産家の話であり、しかしこういう巨大資産家がカネに糸目をつけずに(米国大統領選は選挙資金に制限はない)選挙を有利に運び一方的な主張でコアな支持を集めるという構図は、米国の未来、世界の将来に結果として不利益をもたらしたトランプ現象(アミューズメント政治 : amusement politics)であった。
(7)誰を大統領に選ぶかは国家、社会、国民にとっては重要で、そうした国家、社会にした責任も国民有権者は負わなければならない。