(1)ペロシ訪台に対抗する中国軍の台湾を包囲する台湾海峡軍事演習は予定期間を過ぎても継続(本日終了-報道)されて常態化する動きといわれる。中国のメンツと米国のメンツがぶつかり合って、双方に台湾侵攻と台湾擁護の口実を与えるものとなったが、中国にとって台湾侵攻名目の実質扉を開けさせたという点で利益に働いているようだ。
(2)このまま仮に中国軍が包囲した台湾を軍事侵攻したら、米国、日本はどう対応することになるのだろうか。ウクライナ方式によれば、そのまま米国、日本が台湾を軍事的に擁護すればウクライナ戦争でもバイデン大統領は第3次世界大戦になると言ったことが台湾海峡でも現実のものとなる。
(3)米国、日本は「ひとつの中国」を支持表明しているので、NATOに加盟していないウクライナに米国が直接軍事関与しないと表明して軍事物資の支援と露への経済制裁で対抗しているが、台湾問題に対しては同じように「ひとつの中国」論で台湾に直接協力支援の手を差し出さないのかは台湾が中国に対するアジア大陸民主主義の砦としてわからない。
(4)上述したように台湾問題が第3次世界大戦の危機になることも考えられる。そうなれば台湾と目と鼻の先の沖縄に米軍基地があり、とても中国の内政問題として安閑としていられる状況ではない。台湾海峡に近い与那国島、石垣島では中国軍の軍事演習で近くの日本のEEZ内に中国本土からミサイル5発が着弾して、緊迫感は現実のものとなっており、本日岸田首相が内閣改造、党役員人事刷新を行って、同じ日本でもここでは台湾海峡の緊迫感が感じられない静かな夏だ。
(5)バイデン大統領は中国軍に対して「これ以上は何もしないと思う」(報道)と述べており、中国もこれから習主席の異例の3期目長期政権への重要案件の党大会を控えておりバイデン大統領の見方を超えることは考えにくい政治日程にある。
(6)しかし香港同様に中国の台湾統合に対しても軍事圧力の名目を得て、習主席の3期目長期政権が実現すればこのまま台湾包囲軍事演習体制維持で米日などの自由で開かれたインド太平洋構想、台湾海峡の自由航行にも支障、影響、対立が鮮明になり、これまでにない台湾海峡の緊張の高まりを招くことになり、それはそのまま日本にも大きな影響を及ぼすことになる。