いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

アバのアバター。 Avatar of ‘ABBA’

2022-08-20 20:19:54 | 日記
 (1)スウェーデンの人気男女コーラスグループ「ABBA」(アバ)が今年40年ぶりに新作アルバム発表のコンサートにデジタル映像で出演して、アバのアバター(avatar)が登場した話題があった。アバ(ABBA)とアバター(分身)を組み合わせたのか意図がわからないが、音楽が新しいものをなかなか吸収、発表できない苦悩、ジレンマが感じられる。

 (2)音楽はすでにコンピューターを使って作曲する時代になっているが、AIでも人間の微妙な感情、感性を表現することはむずかしく、音階は正しくていねいに打ち出せるが、それだけではどれもこれも同じアバターになってしまう。

 (3)今の時代AIは人間の行えることの「これはできない」は大体解決されてきている(専門家コラム)といわれて、専門家は「最後までAIにできなくて、人間にしかできないこと」として「消費すること」と書いている。

 (4)人間は常によりよい消費をしたいという欲求を根源的に持っているらしく、しかしAIにはそれがないという。
 現在でもAIに主題を与えてもまだそれに沿った小説は書けないといわれて、音楽の新しいものを吸収できないアバター化に通じるものがある。

 (5)トランプ前大統領が中間選挙に向けての共和党候補者の予備選で、自分の考え、政策に反対する有力候補者に対立候補者を立てて下院10人中8人を予備選で落選や引退に追い込んだ(報道)といわれる。

 これもトランプ前大統領のアバター候補であり、日本でも当時の小泉純一郎首相が国政選挙で自らの政策郵政民営化に反対する自民党候補者に対立候補を擁立して落選に追い込んだことがあり、劇場型政治と呼ばれたことがあるが、これもアバター政治だ。

 (6)今日的社会は自動車の工具、部品も3Dプリンターで製造する時代で、大企業の下請け企業としての日本経済を下支えする多くの中小企業の技術力、生産力にも影響が考えられて、ネットでは銃、爆弾の作り方まで情報提供されて安倍元首相事件に手製銃が使われた。

 (7)技術のアバター化であり、従来の本物でないアバターが拡大して拡散し容易に手に入る社会は便利ではあってもメタバースの世界のものであり、現実社会では模造品、アバターでしかない。
 こういう現実社会が進めば人権、著作権、知的財産権が侵害されて、手段を選ばない不当な行為が社会を差配してメタバースと現実社会の混乱を招くことになる。権利関係をはっきりしなければならない。

 (8)アバ(ABBA)のアバターを見て、聞いて感動するのも自由でいいが、古くても、年をとっても本物を見てこそ感じることもあり、伝わるものがあり、それが人間の感性としては積み重ねてきた時間の重みとして貴重だ。
 
 

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