いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国民の二重苦。 double pain of nation

2022-08-18 21:09:16 | 日記
 (1)安倍元首相は当時急激な円安に対して1ドル130円はまったく問題ない発言をして日銀の金融緩和継続を支持したが、直近の企業アンケートでは円安(7月1ドル139円)が業績悪化の要因と回答した企業が79.1%(報道)にのぼった。

 (2)企業は為替相場に左右されない工場の海外拠点化を進めているが、円安による輸出増や海外収益の増加よりは輸入品、材料の価格上昇の悪影響を多く受けている企業の実態がみえてきた。
 国民生活でも賃上げが大企業では進んだが急激な円安による輸入品、材料の高騰が物価を押し上げて、家計経済を圧迫している。

 (3)日銀は今年の物価上昇2.2%達成は円安効果によるもので一時的なものとして、企業業績の拡大による賃金、物価上昇の経済の好循環につながるものではないとして引き続き金融緩和を続ける方針を崩していない。

 世界の中央銀行が一斉に利上げに動く中でのひとり日銀の金融緩和継続方針であり、これが急激な円安を招いており、日銀が国債を多く買い支えて政府の借金財政を支える構図で、国債利息の負担減を支える金融緩和でもある。

 (4)岸田首相は日銀審議委員の任期交代で、これまでリフレ派黒田総裁を支えてきたリフレ派の審議委員から反リフレ派の審議委員を任命(報道)して金融緩和策の「出口」論を模索しているとも報じられている。

 国の借金は国民投資(税負担)の返済負担につながるもので、さらに金融緩和による円安は物価高を招いて国民生活、家計を圧迫しており、政府、日銀の金融政策は国民に二重苦(double pain of nation)を強いるものとなっている。

 (5)安倍元首相は日銀を「政府の子会社」と言ったが、本来政府の金融政策を適正、公正に運用されるよう監視するのが日銀の独立した主な役割、仕事であり、政治(家)の欲望目的のために従わされているのが現在の日銀の姿勢だ。
 日銀黒田総裁のマイナス金利策は企業などの借入金に負担がかからないが、国民の財産も増えない、企業の経済活動、富裕層優先のもので、国民に負担を押し付けるものだ。

 (6)デフレ脱却、景気後退時の一時的なカンフル剤効果はあっても、いつまでも継続するものではない。今回の企業アンケートでも、日銀の金融緩和による円安は業績悪化につながっていると79.1%が回答しており、限界がみえている。日銀黒田総裁の任期は来年4月までだ。

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