(1)人類がなぜ戦争をするのかは、トルストイも大著「戦争と平和」の中で「我々にはわからない」(引用)と書いている。戦争とは始めるときに名目はあっても、始まれば人と人の殺し合いであり、名目などなくなり戦争に直接かかわらない人々が犠牲になるだけと本ブログで書いた。
(2)現在も進行中のウクライナ戦争も侵攻したプーチン露大統領も侵攻されたゼレンスキー・ウクライナ大統領も身は安全だが、露国民は米、EU、日などの経済制裁強化の影響(露のGDP4%減少ー報道)で国民生活への負担は大きくなっているとみられ、ウクライナでは国外退避、学校、病院、商業施設などのインフラ攻撃被害で民間人の被害も大きい。
(3)プーチン露大統領の大ソ連邦再現(報道)の野望にこれにウクライナの主権、領土を死守するゼレンスキー大統領の応戦名目で結局は国民、市民の犠牲、被害が増えていく。
中国習主席も外部圧力から香港を守る名目で1国2制度の香港に介入して香港の民主派勢力を一掃して実質完全統治を果している。
(4)台湾に対してもペロシ米下院議長の訪台を理由に台湾を包囲する軍事演習を実施して、日本のEEZ内にも中国本土からミサイル5発を着弾させて威かく(習主席が選択指示したとの報道)した。
(5)日本は77年目の終戦の日を迎えた。米国では77年前の広島、長崎への10万人以上の民間人が犠牲になった原爆投下は戦争を早く終わらせるためには正当だったとの意見は多く、それならプーチン大統領がウクライナ軍事侵攻で核兵器使用を示唆、威かくしていることにも戦争を早く終わらせる正当性、理解するのか、どうかだ。
(6)戦争はやってはならないが、不幸にも始まれば早く終わらせることが重要だ。上述したように戦争を始める時は名目はあっても、始まれば名目などなくなり人と人の殺し合いであり、終らせる名目はない(no pretext of the war's end)。
トルストイもなぜ人は戦争をするのか「我々にはわからない」と書いているように、不条理(unreasonableness)な世界の話だ。
(7)安倍元首相などの保守思想主義者は日本が戦争に巻き込まれない、攻撃されないために防衛力強化しなければならないと主張しているが、戦争の一元性、一面性しかみていない理念であり、戦争の名目など始まってしまえば存在せずに不条理が支配する「我々にはわからない」(トルストイ)世界であり、戦争にいかなる正当な理由もみつけることなどできない。
(8)台湾海峡に接する日本は米中台の紛争、戦争の影響を受ける地政学上の位置(今回の中国軍の軍事演習で日本のEEZ内にミサイル着弾)にあり、終戦の日に「終戦」(the war's end)の思いを強く理解したいところだ。