いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

党高政低政治。 politic power of the party takes priority of the government

2022-08-11 20:23:15 | 日記
 (1)今回の岸田首相の内閣改造、党役員人事は「党高政低」型がはっきり出たものとなった。自民党執行部5役員のうち3人が派閥代表で占めて発言力を増し、岸田第2次内閣は9人が「新人」起用となって派閥大臣待機順送りで実力は未知数の大きい判断となった。

 (2)岸田首相は就任当初は成長重視で大企業、富裕層優遇のアベノミクスの反省から新しい資本主義、成長と分配の好循環で厚い中間層の実現を目指すとして出発したが、党内での安倍元首相の影響力に配慮していつしか成長論のアベノミクスに回帰して岸田首相の目指す理念、政策は影を潜める「党高政低」の強い結果が続いた。

 (3)岸田首相は今回の記者会見で内閣改造の目的を「骨格を維持しながら有事に対応する『政策断行内閣』」だと強調したが、これまで岸田内閣がまがりなりにも高い比較安定した内閣支持率を維持していたのは党内からも「何もしない」内閣だからだとの皮肉も聞こえていた。

 これまでの岸田首相、内閣の取り組みについて、方法論、効果論について相殺性の強いもので、打ち上げた政策理論が本来利益を受け取るべき側の財源を使い果たす相殺理論で元も子もないものだと書いた。

 (4)その何もしない「骨格」を維持して「政策断行内閣」とはパラドックス(paradox)としか言いようがない。岸田首相は国会論戦でも野党の質問、提案にもまともに反応せずに、検討を繰り返して論戦にならずに、結局は「何もしない内閣」というレッテルがついた。

 (5)そうした岸田首相の都合主義が「骨格を維持しながら政策断行内閣」というこれまでの実績との矛盾した相容れないパラドックス性を示すことになった。今回の内閣改造、党役員人事の「党高政低」政治で岸田内閣支持率低下の打開、自らの政治理念、政策を進めることができるのか、心もとない結果となった。

 (6)岸田首相が言うように石油高騰、エネルギー不安、急激な円安、物価高、ウクライナ、台湾危機、コロナ最大感染と有事が押し寄せており、岸田内閣の対策の正念場を迎えている。党高政低政治でない岸田内閣の主体的な政治姿勢が問われる。

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