いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

都知事の訪中。 the metropolitan governor visits to china

2014-04-25 19:41:22 | 日記
 (1)オバマ大統領が国賓として来日した23日に舛添東京都知事が中国訪問に出発した。石原元都知事時代には考えられない都知事の訪中(the metropolitan governor visits to china)である。
 中国としては日中間の政治対立が続く中で、中国側に都合のいい発言者を招いて政治宣伝に使って日本政府をけん制するやり方があり、訪中することが日中友好関係改善のための前進とばかりは言えないが、都知事の訪中には一定の意味、意義(significance)はある。

 24日での中国要人との会談では中日友好協会会長が東京と北京の友好促進に期待を示し、都知事も都市間交流を進めて日中関係の改善と交通渋滞、PM2.5による大気汚染など環境問題に東京、北京両都市が協力して解決にあたる(報道)考えを示している。

 (2)中国も政治と経済、文化は別との認識を打ち出しており、都市間首長交流は関係改善に向けた有効な方法論(methodology)だ。
 日中には友好都市条例を結ぶ地方自治体も多く、日中政府間レベルでの政治対立が続く中で交流ルートを持つ地方自治体がもっと活発に交流を進めて、関係改善のルートを多様に都市交流、文化学術交流の道幅を拡げるべきだ。

 (3)オバマ大統領の国賓来日にあわせた都知事の訪中受け入れで中国側の政治的意図も感ずるが、日米中で世界のGDPの40%以上を占める政治、経済の影響力を考えればそれぞれが役割、使命を持って同時進行でも交流の接点を持つことが大切で、今回の都知事の訪中は評価すべきことだ。

 24日の会談で表明された問題意識は、旧態然とした言い尽されたものであり新鮮味はなく、今後は将来、未来に向けた都市間交流、発展に向けたアプローチ(approach)でなければならない。

 (4)2020年の東京オリンピック、パラリンピック開催決定では、アジア圏からの投票支援もあってアジア地域の特別の協力関係、共有性を認識させられたものだ。
 東京オリンピック、パラリンピック開催に向けて発展するアジア経済の中心軸としての東京と北京が一致協力、交流をはかる道筋をつくることが出来るのかは都市間の問題であって、問題、課題を共有して独自のルートを構築すべき意味、意義は大きい。

 大学間交流ももっと幅広く促進すべきで、将来の専門、国を背負う中心となる学術研究、交流は大切だ。都知事として出来ることはある。

 (5)人口問題で日本政府の対応は不作為でいつも後追いばかりだが、超高年令化社会を世界に先駆けて抱える日本の首都として同じ人口問題を抱える国の首都同士として、対策、対応を共同研究することは意義がある。
 ともに自然災害国として災害支援、救助の関係充実、拡充をはかるのもいいだろう。

 (6)そういう都市間交流の拡がりが政治の不信、不和、不調和を解きほぐすいい関係に発展させるルートになればこの上ないことだ。
 日本の自治体のとりわけ首都の都知事が思想、信条は自由であるからと露骨に地方政治に持ち込むことの非生産的なムダは排除して、政府レベルの政治とは一線を画して国際都市間交流を進めることは重要な政治ダイナミズム(dynamism)であり、都知事の中国訪問の意味、意義だ。

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オバマ来日とリバランス。 president obama comes to japan and rebalance

2014-04-24 19:49:11 | 日記
 (1)オバマ大統領が国賓(a guest of the state)として2泊3日のあわただしい来日をした。昨日は安倍首相の私的なたっての夕食会が米国側の要望で銀座の有名すし店で行われ、オバマ大統領が冷酒を安倍首相からお酌される写真とともにすし好き(報道)のオバマ大統領の「人生のなかで一番おいしいすしだった」とのコメントが伝えられた。

 前民主党政権時代に当時の鳩山首相のアジア共同体構想と沖縄米軍基地の国外、県外移設方針の表明で、日米関係がギクシャクして米国の日本に対する政治姿勢も厳しいものが見られて昨年2月の安倍首相の訪米時でも会談したオバマ大統領の表情、態度(ニュース映像)にも威圧的で固く、様子見が見受けられた。こう着している普天間基地の辺野古移設の早期解決を強く迫られた。

 (2)一般的にこれまでの米国政界は保守的な(conservative)共和党政権は日本に対して好意的な立場であり、リベラルな(liberal)民主党政権は日本に対してどちらか疎遠にあると言われてきた。

 報道によると、民主党のより事務的手法(businesslike)の強いオバマ大統領と保守的で理想主義の安倍首相とは「相性がいいとは言えない」ともみられている。
 今回のオバマ大統領の国賓来日でも夫人をともなわずに、普天間基地移設、TPP、日中韓対立、ウクライナ問題と難問山積の日米政治課題の中で米国大統領としてより事務的な強い政治対応の姿勢を示したとも見える。

 (3)今回の日米首脳会談ではオバマ大統領はTPP交渉で早期の合意成立を求めて、日本の判断、決断を強く求めるものと見られる。
 今日、昼にかけて行われた首脳会談は予定時間を超えて行われて、しかしTPP交渉では閣僚協議を続けることで一致しただけで、その後の共同記者会見でのオバマ大統領の表情も固いままのものだった。

 (4)米国の高い失業率も改善が見えて国内経済にも回復基調が見える一方、外交では米国機関による西側先進国首脳ほかの盗聴問題やオバマ大統領の損な役回りもあって、シリア、ウクライナ問題ではオバマ大統領のリーダーシップ不足、優柔不断なところが国際的評価を下げている。

 2期目のオバマ大統領にとっては歴史に残る成果が求められるところで、強いアメリカを示したいところだがそうはなっていない。

 (5)日本に対してはケネディ駐日大使の起用で特別な同盟、協力関係を一応示してはいるが、しかし政治力、経験は未知数の起用で話題性ばかりが強くどれほど実際に日本との関係を重要視しているのか不透明なことろはある。

 オバマ大統領はアジアに軸足を向けたリバランス政策(a policy of rebalance)を打ち出しているが、その先は軍事力、経済力で力を示す中国に向けられて今回のアジア歴訪も中国けん制、包囲政策の一環として見ることができる。

 (6)核のない世界宣言、米国社会にとっては革命的な国民皆保険制度の導入、化学兵器使用に対するシリア軍事介入表明など、先駆的な、道義的な理念先行で成果が見合ってともなわない損な役回りのあるいは実行力のともなわない米国にとっては不満の米国指導者像だ。TPP交渉でもなかなかリーダーシップを発揮できないでいる。

 日米首脳会談での当初予定された共同声明発表もTPP交渉がまとまらずに発表されない異例の展開を迎えている。

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したたかなロシア。 an old hand russia

2014-04-23 19:58:34 | 日記
 (1)やはり新聞の片隅に小さな記事で「ロシア軍が北方領土の択捉島と国後島に2016年までに150以上の軍事施設を新設」し軍備増強するとあった。ロシア政府も承認し軍関係者向けの住宅も建設する。

 ロシアが北方領土の自国領土化を促進するものだ。日本政府からはこれにまったく反応もなく、領土問題にかかわらず記事の取り扱いも小さくて以外なものだった。

 (2)北方領土返還問題に前向きといわれるプーチン大統領の再登板で安倍首相も機会あるごとに頻繁に両国首脳会談を持って友好関係を強調して、人権問題で西側主要国の首脳がこぞって出席しなかったソチオリンピック開会式にもひとり安倍首相だけが出席してプーチン大統領の顔を立ててきた。

 プーチン大統領はウクライナのクリミヤ半島のロシア編入帰属で国益を守る領土拡張に固執して、米国、EUと全面対立ながら国内の高い支持率(80%)を受けている。
 日本に対しても領土問題で安易な妥協は見せない、見せることもできない国際情勢が生まれた中での冒頭の北方領土2島への軍備強化策の発表だった。

 (3)プーチン大統領の北方領土構想の中にあるのは、「引き分け(drawn game)」論があって北方領土の2島分離によるロシアと日本の北方領土「等分轄」論だ。
 日本としては現実主義者の中には等分轄論による早期決着を支持するものはいるが、日本政府はもちろん本来日本領土である4島の一括返還は前提での外交方針だ。

 現在、北方4島には日本人居住者がおらずに完全にロシア化されており、少々時間をかけてでも一括でなくとも4島返還主張で粘り強く領土交渉すべきことだ。

 (4)幸いにロシア政府も北方領土を含む極東地域の経済開発で日本の技術開発力、経済力の協力関係を必要としており、経済共同開発で北方領土返還問題の解決に向けての多様に関係改善に努めるべきだ。

 そういう中での①ウクライナ・クリミヤ半島のロシア編入帰属の強行姿勢であり、②西側先進国一員としての日本のロシア経済制裁の参加で、日本もむずかしい立場に立たされている。
 そこに③ロシアの北方2島への軍備増強方針の発表で、ロシアの領土に対する強い持続姿勢を示したものでロシアの「本質」が見えてきた。

 (5)ロシア、プーチン大統領はなかなかしたたかだ(an old hand russia)。ウクライナ・クリミヤ半島のロシア編入帰属でもEUとのエネルギー供給、経済協力関係の深いつながりを見越しての迅速な強行姿勢であり、領土問題で日本にも譲歩する姿勢のないことを示したものだ。

 安倍政権もロシアの独断、独裁的外交政治に対してひとり秋風を送ってばかりではならずに、、冒頭の北方領土の軍備増強には強く抗議して政治外交の筋論はきっぱりと通さなければ、したたかにロシアに足元を見られてしまうだろう。

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止まった時間。 the time has stopped

2014-04-22 19:57:02 | 日記
 (1)歴史というものは、その時点、時点で止まる。戦争というものが70年たってそれが勝者、敗者どちらにとっても正当化、必要化されるということはない。
 悲惨な戦争は70年たっても悲惨な戦争のままだ。被害を受けたものにとっては、時間が止まった(the time has stopped)まま苦痛に生きる。

 韓国従軍慰安婦問題で、日本政府は戦後の戦争責任一括処理で政治決着はついていると主張するが、70年前の時間が止まったままの被害国、被害者にとってはいつでも現実の問題として苛(さいな)まれて苦痛が癒(いや)されることはない。
 確かにいつまで旧日本軍の植民地支配、侵略占領の責任を問題とされるのかのむなしさを覚えるが(become empty)、それが戦争の愚かさだと自覚して戦争をくり返してはならないと認識するしかないのだ。

 (2)中国は日中戦争前に起きた1936年の船舶貸借を巡り旧日本軍が船舶を強制徴用して未払いのままだとして起こされた損害賠償訴訟に絡んで、78年後の今、現在の商船三井所有の船舶を差し押さえた。

 日本側は72年の「日中共同声明」により戦争にかかわる損害賠償請求権はすべて放棄されたと無効を主張しているが、中国側は戦争の賠償責任問題とは無関係の一般的な商取引行為の問題だとして船舶差し押さえの正当性を主張して対立している。
 尖閣領有権問題、歴史認識問題での中国、韓国と日本との対立が激化してから中国、韓国では旧日本軍による植民地支配、侵略占領時代の強制労働、連行などに対する賠償支払いを求める訴訟が相次いで起こされている。

 (3)当初は中国では提訴を受理せずに日中友好関係改善に配慮してきたが、最近はこれを受理して政治対立の激化にともない方針転換をしている。歴史の時間がその時点で止まった戦争について、理由の如何によらずとも植民地支配、侵略占領による多大な苦痛、被害を現地住民に与えたことは消えはしないし、その責任の大きさは重いものだ。

 簡単にいつまで現在の国家、国民がその責任を問われなければならないのか、時効などと言って責任を放棄、棄却することなど出来ないのも心情だろう。

 (4)日本側が72年の日中共同声明による国交正常化で戦争責任賠償問題は解決したことを持ち出せば、中国側は一般の商行為としてそれとは無関係の日本企業の賠償責任を主張するという一歩も引かぬ対立構図だ。

 根底にあるのは、中国の海路確保による軍事的南下政策であり、そのための日中間の尖閣領有権問題だ。領有権問題が絡んでいるので戦争賠償責任問題の解決をさらに複雑困難にしている。
 72年の日中共同声明の基本精神をもとに日中首脳が直接話し合って問題解決をはかることが求められているが、今はその前提に尖閣領有権問題が大きくたちふさがっており身動きがとれない状態が続く。

 (5)日本の立場からは、70~80年前のアジア地域での加害状況をなかったものとすることはできないが、しかし当時の被害国中国、韓国としても70~80年を経過しての今の時点での突然の当時の日本企業の損害賠償責任を相次いで問う姿勢はいくらなんでも普通ではなく、このままの姿勢が続けば国際的な理解を得ることはむずかしいのではないのか。

 日本政府としては出来るだけ時間をかけて基本精神、思考基準を確認して、安易に妥協することなく主張することは主張して、歴史考証を「過去、現在、未来」に分けて専門的に分析、検証、理論化(theorize)して整理、準備する必要がある。
 戦後責任一括処理とか日中共同声明に固執しての紋切り型では問題は解決しない。

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偏向に乗った危険な国民。 dangerous nation fall into deflection

2014-04-21 19:33:40 | 日記
 (1)直近のメディアの世論調査では安倍内閣の支持率が49%と過半数をわずかに下回り、自民党の支持率も32%と3分の1を下回った。野党第1党の民主党が6%に低迷したままなのでそれでも問題外の比較レベルで、消費税8%引き上げも賃上げ効果で何とか安倍内閣、自民党支持率の低下を最小限に食い止めたというところだ。

 昨日一斉に実施された首長選挙でも自民、公明党推薦の候補者が軒並み当選するという安定した強さを示した。

 (2)直近の世論調査では、消費税8%引き上げが「負担に感じる」と回答したものが非常に感じる(25%)、かなり感じる(35%)あわせて60%が「負担」と感じながら、しかし家計の支出を「抑えなかった」と回答したものが54%と過半数を示して(「抑えた」44%)、無理をしてでも生活第一、質(quality)優先主義の小市民的(the petite bourgeoisie)な国民意識がよくあらわれたものとなった。

 「生活に見合った収入」のために独身による経済的自立に迫られて婚期が遅れる傾向(独身率の高さ)にあり、あるいは共稼ぎが必要となり子ども支援、社会保障制度の立ち遅れが家族形態にもひずみ、矛盾、課題を生んでいる社会背景がある。
 
 (3)先進経済国の日本にかってのような高度経済成長は期待しようもなく、安定不況時代の中では「生活に見合った収入」ではなく「収入に見合った生活」への順応転化が求められているが、自分の生活さえよければいいという小市民的志向の国民意識の中では、消費税引き上げは負担に感じながらも支出は抑えないという「やせがまん」の自己利益願望中心軸の自我社会構造がよく見てとれるものだ。

 安倍政権の重要政策課題にことごとく国民の過半数が反対しながら内閣、自民党支持率は比較高い数値を示す、矛盾した小市民的傾向の根拠を具体的にあらわすものだ。
 原発依存を表明した政府の方針(エネルギー基本計画)には55%の過半数が反対している。

 (4)集団的自衛権の憲法解釈変更による限定的容認(ちょっと訳のわからない個別的自衛権に限りなく近い解釈)には、全面的に認めるべき(12%)と限定的に認める(44%)とあわせて56%の過半数が容認して、認めるべきでないの38%を大きく上回っている。

 「憲法解釈を変更しても」というところに、今日の中国、韓国との外交摩擦、歴史問題対立の後遺症の影響が見て取れるが、目的のために手段を選ばない安倍政権の特に経済金融政策での経済効果と賃上げ指導効果によるこれまでにない政治リーダーシップ力への期待度の高さを示すものだ。

 (5)野党のあまりにもの「力不足」の政治構図を反映したものでもあり、偏向に乗った危険な国民(dangerous nation fall into deflection)の判断傾向である。

 今の政治状況は「国民」こそが大きな冷静な批判野党勢力(critical power of an opposition party)でなければならないときだ。

 (6)国民投票の年令を18才に引き下げることに賛成は49%、反対44%ときっ抗しており、儒教思想に根付く日本社会の倫理、価値観の影響がたとえば女性の社会進出に積極的でないところなどとあわせて社会背景にあることがわかる。投票権の低年令化は国際社会では大勢を示している。

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