もう4年ほど前になりますがS氏様と云うお客様の所で「完全に調整されたマランツ#7と自作WE422ppアンプ」のサウンドを聴いた事が有ります。ただその時は「ノイズ」の多さにもビックリしました。
それはそれは艶やかで濡れた様な質感でした。このサウンドが頭に中に残っています。50年前のアンプで有りながら現代のアンプでは到底出しえない音色でした。この件から「アンプの進化」とは何だろうか?と強く疑問を持ちました。
その後、「Trail仕様の管球パワーアンプ」の第1号(ムラードEL34ppモノラルアンプ→専務宅メインアンプ)を作成しました。このアンプの音色と質感はまさしく上述のS氏様のマランツ#7+WE422ppアンプに通じるものでした。それも「ノイズレス」の状態で獲得しました。
4年前に評論家の村井先生や熊本の西野和馬さんがお見えになった頃のお話です。その時の様子が「これだオーディオ術」の単行本に掲載されています。その頃の自宅のシステムでは「メロメロの歎美派」のサウンドでした。SPシステムはオリジナルのSP-707J+#075+デッカリボンの組み合わせでした。
その後SPシステムに#375+ゴールドウィングを足して・・・・と現在のSPシステムになっています。SPシステムはこれで完成したと思っていますし、サウンドのグレードアップも比類なき程上がっています。
サウンドのグレードを上げて行くと「見通しの良さ」が出て来ます。これはこれで大事な要素ですが「艶やかで濡れた様な質感」が損なわれる様な相反作用もある様にも感じられます。これから更に「音の厚み」と「濡れた様な質感」を追い求めるとすれば「プリアンプ」を管球アンプにする必要が有るのでは?と考えています。
今のシステムにマランツ#7を入れても良いのですが、「オリジナルの音」が出せる状態にするには「管球アンプの神様」と云われるぐらいの専門家にお願いしないと難しいと思います。使われているコンデンサーや抵抗類、それに真空管のグレードを確保できないとオリジナルの音は復元できないと思います。ブラックビューティーのコンデンサーにはPCB等も使われている様で今では「危険性」も判っていますのでなかなか使い辛いです。
S氏様の所で聴かせていただいたサウンドを目標に音質アップを図りたいと考えています。今でもあの質感は「只者ではない!!!」グレードだと思っています。