きょうは良い天気になるはずだったのにそうならなかった。雨は止んでいるが霧が出て、権兵衛山は雲の中、またしても深窓の令嬢になっている。それでも、静かな秋の一日を過ごすなら、こんな天気の方が向いているかも知れない。今年は牛が里へ下りるのが早かったから、第1牧区へはしばらく無沙汰を決めている。あそこのカエデの紅葉は始まったのだろうか。
いつまでも同じ橋にばかり拘わっていては際限がないと、4番目はこれでひとまず終えることにした。手摺りはまだ取り付けてないし、4本の丸太を乗せた両端の"枕"をどのように固定するかなど幾つかの課題を残したままだがだが、今は完璧を求めている余裕がない。次に進むしかないと決めた。
それで小屋に戻らずに午後は、4番目と同じように流された5番目の橋の解体をすることにした。折角付けた手摺りも、新しく補強のために手を入れた丸太も激流に翻弄され、結束していた番線はすべてが緩んでしまっている。30本くらいのそれらを次々とカッターで切ってしまうのは、若葉マークの初心者のような気持で懸命に巻いた番線だけに本当に無念なのだが、そうしなければ丸太を元の場所へ戻すことができない。
そんな作業をしながら、ずっと考えていたことがあった。それは、テイ沢に丸太橋を架けることへの疑問というか、迷いのような気持のことで、あんな橋などなくても、渡渉を覚悟すればどれほどのこともない。誰でもというわけではないが、誰でもが行ければ良いというわけでもないという気が、以前からそれとなくしていた。今度も、実は迷った。
また、山小屋の主や管理人が登山道を整備するのは、自分の小屋へ来る登山客のためを考えてのことだが、あのテイ沢を通る人の大半は、この牧場の小屋やキャンプ場とは関係がなく通り過ぎていく人たちだ。そういう人たちのために、いつまでもテイ沢にかまけていてもいいのかと思うこともある。
さらには、あの丸太橋があるために沢の雰囲気が以前と大分変ってきたと批判的に言う人さえいる。自然と人、俗化、経済性、難しい問題だ。そこら辺のことを、今後ここでも考えみたい。
営業案内 「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」およびその(2)です。下線部をクリックしてご覧の上、どうぞご利用ください。
いつまでも同じ橋にばかり拘わっていては際限がないと、4番目はこれでひとまず終えることにした。手摺りはまだ取り付けてないし、4本の丸太を乗せた両端の"枕"をどのように固定するかなど幾つかの課題を残したままだがだが、今は完璧を求めている余裕がない。次に進むしかないと決めた。
それで小屋に戻らずに午後は、4番目と同じように流された5番目の橋の解体をすることにした。折角付けた手摺りも、新しく補強のために手を入れた丸太も激流に翻弄され、結束していた番線はすべてが緩んでしまっている。30本くらいのそれらを次々とカッターで切ってしまうのは、若葉マークの初心者のような気持で懸命に巻いた番線だけに本当に無念なのだが、そうしなければ丸太を元の場所へ戻すことができない。
そんな作業をしながら、ずっと考えていたことがあった。それは、テイ沢に丸太橋を架けることへの疑問というか、迷いのような気持のことで、あんな橋などなくても、渡渉を覚悟すればどれほどのこともない。誰でもというわけではないが、誰でもが行ければ良いというわけでもないという気が、以前からそれとなくしていた。今度も、実は迷った。
また、山小屋の主や管理人が登山道を整備するのは、自分の小屋へ来る登山客のためを考えてのことだが、あのテイ沢を通る人の大半は、この牧場の小屋やキャンプ場とは関係がなく通り過ぎていく人たちだ。そういう人たちのために、いつまでもテイ沢にかまけていてもいいのかと思うこともある。
さらには、あの丸太橋があるために沢の雰囲気が以前と大分変ってきたと批判的に言う人さえいる。自然と人、俗化、経済性、難しい問題だ。そこら辺のことを、今後ここでも考えみたい。
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