食料、明日にも底つきそう…仙台空港に千人超
読売新聞 3月12日(土)21時0分配信
仙台空港(宮城県名取市)の時計の針はいずれも午後4時を指していた――。
11日の地震で発生した大津波が空港に到達した時間だ。その空港には12日昼現在、足止めを食った飛行機利用客約700人と航空会社関係者約300人に加え、付近の避難住民約400人が避難生活を送っている。
午後2時頃、記者は徒歩で仙台空港にたどり着いた。正面玄関には大きな流木がつっこんでいた。1階のフロアにも、土砂が入り込み、被災者は2階のロビーにいた。停電が続き、携帯電話の充電コーナーには常時、30~40人が列を作っている。
売店は食料や薬を無料で提供し、寒がる被災者の体にビニールを巻いてあげる空港職員の姿も。午後3時頃、「近くの川の水位が低下」との情報を受けた職員は「津波が来る恐れがあります。3階に移動してください」と誘導していた。
出張で伊丹空港から来た奈良県天理市、会社員大前ともみさん(23)は、仙台空港駅のホームで地震に遭遇し、空港に戻った。窓の外を見ると、松林を突き抜けて近づいてくる津波を目の当たりに。「夜の寒さが何よりつらい」
仙台空港ビルの石森純一取締役(59)は、「食料も明日には底をつきかねない。氷点下まで冷え込む夜の寒さもつらい」と険しい表情で避難者らの救出を願っている。(前田遼太郎)
想定の90倍規模「日本海溝のほぼ全域が同時に壊れた」
配信元:
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記事本文【東北・太平洋沿岸地震】
今回の地震は、太平洋プレート(岩板)が、東北地方を乗せた北米プレートの下に潜り込むことによって起こる「海溝型地震」だ。
政府の地震調査委員会では、宮城県沖、三陸沖南部、福島県沖で起こる海溝型地震については、マグニチュード(M)7・5規模を想定していた。しかし、今回の地震の規模はM8・8と想定を大きく上回った。
東京大学地震研究所の古村孝志教授は「M8・8は、想定されていたM7・5のエネルギーの約90倍に当たる。1707年の宝永地震(M8・6)の2倍で、国内では最大級だ」と指摘。「プレート境界面が南北200~300キロメートル、東西100~150キロメートルにわたり、十数メートルずれたと想定される」と説明する。
気象庁でも、地震によって、岩手県から茨城県に至る南北400キロ、東西200キロの断層帯が破壊された可能性が高いとみている。
想定を上回る規模となったことについては、複数の震源域が連動して想定を超える巨大地震になった可能性がある。
東北地方の太平洋プレートは年間約8~10センチの速度で陸側へ移動しており、沖合約200キロにある日本海溝から、陸側の北米プレートの下へ沈み込む。2つのプレート境界に蓄積されたひずみが限界に達すると、境界部分が壊れて大地震が起きる。今回の地震もこの仕組みで発生し、メカニズムは地盤が東西に圧縮される逆断層型だった。
宮城県沖地震は陸に近い海域と、沖合の日本海溝に近い2つの震源域がある。過去の地震の規模は、陸寄り単独の震源域だとM7・4程度だが、日本海溝に近い震源域も連動すると大規模になり、過去200年で唯一の連動型だった1793年はM8・2で、大津波が発生した。
海溝型地震に詳しい京都大防災研究所・地震予知研究センターの橋本学教授(測地学)は、今後の詳しい解析が必要とした上で、「約200年ぶりに連動型の宮城県沖地震が起きた可能性がある」と指摘する。
ただ、地震調査委は連動型をM8・0前後と想定しており、今回の規模はさらに大きい。プレート境界が想定を超える広範囲で破壊され、国内最大規模につながった可能性がある。
橋本教授は「過去にない事態だ。日本海溝のほぼ全域が同時に壊れた印象で、とんでもないことが起きた」と話す。気象庁は「現時点で関係は分からない」としている。
読売新聞 3月12日(土)21時0分配信
仙台空港(宮城県名取市)の時計の針はいずれも午後4時を指していた――。
11日の地震で発生した大津波が空港に到達した時間だ。その空港には12日昼現在、足止めを食った飛行機利用客約700人と航空会社関係者約300人に加え、付近の避難住民約400人が避難生活を送っている。
午後2時頃、記者は徒歩で仙台空港にたどり着いた。正面玄関には大きな流木がつっこんでいた。1階のフロアにも、土砂が入り込み、被災者は2階のロビーにいた。停電が続き、携帯電話の充電コーナーには常時、30~40人が列を作っている。
売店は食料や薬を無料で提供し、寒がる被災者の体にビニールを巻いてあげる空港職員の姿も。午後3時頃、「近くの川の水位が低下」との情報を受けた職員は「津波が来る恐れがあります。3階に移動してください」と誘導していた。
出張で伊丹空港から来た奈良県天理市、会社員大前ともみさん(23)は、仙台空港駅のホームで地震に遭遇し、空港に戻った。窓の外を見ると、松林を突き抜けて近づいてくる津波を目の当たりに。「夜の寒さが何よりつらい」
仙台空港ビルの石森純一取締役(59)は、「食料も明日には底をつきかねない。氷点下まで冷え込む夜の寒さもつらい」と険しい表情で避難者らの救出を願っている。(前田遼太郎)
想定の90倍規模「日本海溝のほぼ全域が同時に壊れた」
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記事本文【東北・太平洋沿岸地震】
今回の地震は、太平洋プレート(岩板)が、東北地方を乗せた北米プレートの下に潜り込むことによって起こる「海溝型地震」だ。
政府の地震調査委員会では、宮城県沖、三陸沖南部、福島県沖で起こる海溝型地震については、マグニチュード(M)7・5規模を想定していた。しかし、今回の地震の規模はM8・8と想定を大きく上回った。
東京大学地震研究所の古村孝志教授は「M8・8は、想定されていたM7・5のエネルギーの約90倍に当たる。1707年の宝永地震(M8・6)の2倍で、国内では最大級だ」と指摘。「プレート境界面が南北200~300キロメートル、東西100~150キロメートルにわたり、十数メートルずれたと想定される」と説明する。
気象庁でも、地震によって、岩手県から茨城県に至る南北400キロ、東西200キロの断層帯が破壊された可能性が高いとみている。
想定を上回る規模となったことについては、複数の震源域が連動して想定を超える巨大地震になった可能性がある。
東北地方の太平洋プレートは年間約8~10センチの速度で陸側へ移動しており、沖合約200キロにある日本海溝から、陸側の北米プレートの下へ沈み込む。2つのプレート境界に蓄積されたひずみが限界に達すると、境界部分が壊れて大地震が起きる。今回の地震もこの仕組みで発生し、メカニズムは地盤が東西に圧縮される逆断層型だった。
宮城県沖地震は陸に近い海域と、沖合の日本海溝に近い2つの震源域がある。過去の地震の規模は、陸寄り単独の震源域だとM7・4程度だが、日本海溝に近い震源域も連動すると大規模になり、過去200年で唯一の連動型だった1793年はM8・2で、大津波が発生した。
海溝型地震に詳しい京都大防災研究所・地震予知研究センターの橋本学教授(測地学)は、今後の詳しい解析が必要とした上で、「約200年ぶりに連動型の宮城県沖地震が起きた可能性がある」と指摘する。
ただ、地震調査委は連動型をM8・0前後と想定しており、今回の規模はさらに大きい。プレート境界が想定を超える広範囲で破壊され、国内最大規模につながった可能性がある。
橋本教授は「過去にない事態だ。日本海溝のほぼ全域が同時に壊れた印象で、とんでもないことが起きた」と話す。気象庁は「現時点で関係は分からない」としている。