「喫煙の方が高リスク」=福島原発被ばくによる発がん-米医師
時事通信
骨髄移植の権威で、チェルノブイリ原発事故や東海村臨界事故で被ばく者治療に携わった米国のロバート・ゲール医師が来日し、都内で22日、報道各社の取材に応じた。
同氏は「福島第1原発とチェルノブイリは全く事情が異なる。
現時点の発がんリスクは低いだろう」との見方を示した。
同氏は「大半の放射性物質は格納容器に入っている。漏れ出た量はチェルノブイリの数千分の一ではないか」と指摘。
現状について「はるかに喫煙の方が発がんリスクが高い。避難指示の範囲など政府の対応は妥当だ」と分析した。
ただ、チェルノブイリでは汚染食品を通じて放射性物質が体内に取り込まれたことが後に問題となったため、今回も最終的な評価には30~40年を要するとも述べた。
大気に拡散したか、土壌に吸着したかでも影響は異なり、詳細な調査を訴えた。
同氏は放射線について、冷静な対応が必要と強調。
コロラド州都デンバーは標高約1600メートルの高地にあり、低地のニューヨークと比べると、住民が生涯に浴びる放射線量で6倍の開きがあるが、発がんリスクに大差はないという。
また、福島県内の原乳から検出された放射性ヨウ素は半減期が8日と短いとし、「チーズなどに加工して冷蔵保存すれば、時間の経過によって食べられるはずだ」と語った。(了)