心発作後の1年以内の禁煙でも胸痛減【米国心臓協会】
発作後の喫煙継続が胸痛や精神状態に悪影響
米国学会短信2015年9月10日 (木)配信 一般内科疾患循環器疾患救急
米国心臓協会(AHA)は8月25日、心発作後の禁煙が胸痛を軽減し、QOL改善に役立つことを示した研究を紹介した。Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes誌に掲載。
この研究は、米国の多施設心発作患者レジストリ2件に登録した成人4003人を対象に、入院時および心発作後1、6、12カ月での喫煙、胸痛、健康関連QOL評価項目(身体的、精神的要素を含む)について検討したもの。入院時の喫煙状況は、非喫煙者が29%、元喫煙者で心発作前に禁煙した患者34%、喫煙者37%で、喫煙者のうち46%は心発作後1年以内に禁煙していた。
解析の結果、最も健康状態が良かったのは喫煙の経験のない心発作患者で、心発作前に禁煙した患者の健康状態も、非喫煙者と同程度だった。一方、心発作後1年以内に禁煙した患者では、胸痛の程度は中等度を報告していたが、メンタルヘルス面では非喫煙者と同等だった。最も健康状態が悪かったのは、心発作後も喫煙を続けた患者群で、追跡1年の時点で非喫煙者に比べて胸痛を訴える確率は1.5倍高かった。また、胸痛に関連するQOLスコアは3.5ポイント低く、さらに一般的身体機能についても1.6ポイント、メンタルヘルススコアも2.3ポイント低かった。
研究者は、「この情報は喫煙者の禁煙に対するモチベーションを高める」と述べるとともに、「現在の禁煙教育は、喫煙が心発作再発や死亡のリスクを上昇させることに注目する傾向があるが、健康関連QOLも、長生きと同等かそれ以上に患者にとっては重要だ」と指摘している
発作後の喫煙継続が胸痛や精神状態に悪影響
米国学会短信2015年9月10日 (木)配信 一般内科疾患循環器疾患救急
米国心臓協会(AHA)は8月25日、心発作後の禁煙が胸痛を軽減し、QOL改善に役立つことを示した研究を紹介した。Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes誌に掲載。
この研究は、米国の多施設心発作患者レジストリ2件に登録した成人4003人を対象に、入院時および心発作後1、6、12カ月での喫煙、胸痛、健康関連QOL評価項目(身体的、精神的要素を含む)について検討したもの。入院時の喫煙状況は、非喫煙者が29%、元喫煙者で心発作前に禁煙した患者34%、喫煙者37%で、喫煙者のうち46%は心発作後1年以内に禁煙していた。
解析の結果、最も健康状態が良かったのは喫煙の経験のない心発作患者で、心発作前に禁煙した患者の健康状態も、非喫煙者と同程度だった。一方、心発作後1年以内に禁煙した患者では、胸痛の程度は中等度を報告していたが、メンタルヘルス面では非喫煙者と同等だった。最も健康状態が悪かったのは、心発作後も喫煙を続けた患者群で、追跡1年の時点で非喫煙者に比べて胸痛を訴える確率は1.5倍高かった。また、胸痛に関連するQOLスコアは3.5ポイント低く、さらに一般的身体機能についても1.6ポイント、メンタルヘルススコアも2.3ポイント低かった。
研究者は、「この情報は喫煙者の禁煙に対するモチベーションを高める」と述べるとともに、「現在の禁煙教育は、喫煙が心発作再発や死亡のリスクを上昇させることに注目する傾向があるが、健康関連QOLも、長生きと同等かそれ以上に患者にとっては重要だ」と指摘している