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診療報酬めぐり応酬激化 強まるマイナス改定圧力

2015年11月10日 10時37分31秒 | 医療情報
診療報酬めぐり応酬激化 強まるマイナス改定圧力

行政・政治 2015年11月9日 (月)配信共同通信社

 医療機関などに支払われる診療報酬の2016年度改定をめぐり、応酬が激化している。年末の予算編成に合わせて改定率が決まるが、財政再建のため引き下げを求める財務省に対し、医療側は警戒を強める。来年の参院選を意識する与党も巻き込み、決着は最終盤までもつれ込みそうだ。

 診療報酬は2年に1回改定される医療サービスの公定価格で、医師や歯科医、薬剤師の技術料(本体)と薬の値段(薬価)で成り立つ。

 「プラス改定を行わなければ医療崩壊の再来を招く。とんでもない」。日本医師会(日医)の横倉義武(よこくら・よしたけ)会長は5日の記者会見で強調した。財務省が10月末の財政制度等審議会分科会で「(本体部分は)一定程度のマイナス改定が必要だ」と打ち出したからだ。

 前回改定(14年度)はぎりぎりの折衝の末、全体では0・1%増で決着した。プラス改定は医療の充実につながるとされるが、診療報酬の財源は保険料と公費、患者の自己負担だ。財務省は医療費の抑制圧力を強めており、実現は難しい状況になっている。今回引き下げになれば、08年度以来となる。

 財務省は薬価部分だけでなく、薬剤師の調剤報酬など本体部分にも切り込む構え。塩崎恭久厚生労働相も6日の記者会見で「財政的にも持続可能な形で意見を集約したい」と述べ、報酬上積みよりも財政再建に配慮する姿勢を見せた。

 医療関係者は塩崎氏に対し「消極的すぎる」と不満顔。「物価や賃金を上げるアベノミクスを進めているのに、医療だけ報酬を切り下げるのか」と、政府への恨み節も聞かれる。

 一方、与党からは懸念の声も出始めている。マイナス改定を強引に推し進めれば、来夏の参院選を前に、有力な支持母体の医療関係団体の反発を招きかねないからだ。ある自民党議員は財政再建を実現しつつ、選挙への影響を抑えるため「プラスマイナスゼロがいい落としどころではないか」と読む。

 ※診療報酬改定

 公的医療保険で受ける医療サービスの公定価格である「診療報酬」を見直すこと。2年に1回実施する。報酬は手術や検査の内容ごとに単価が決まっている。全体の増減を示す改定率は年末の予算編成過程で決定する。前回の2014年度改定は0・1%増、12年度改定は0・004%増だった。患者は医療機関や薬局の窓口で、診療報酬で決められた価格の原則1~3割を負担し、残りは保険料と税金で賄う。
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遺伝子操作で白血病治療 世界初、1歳女児に実施

2015年11月10日 10時31分14秒 | 医療情報
遺伝子操作で白血病治療 世界初、1歳女児に実施

臨床 2015年11月9日 (月)配信共同通信社

 【ロンドン共同】英国ロンドンのグレート・オーモンド・ストリート病院は7日までに、白血病を患う1歳の女児に対し、がん細胞を攻撃するよう遺伝子操作した免疫細胞を使った治療を世界で初めて実施したと発表した。女児からがん細胞は消え、健康状態は良好という。

 病院によると、女児は生後14週で急性リンパ性白血病と診断された。その後、骨髄移植手術などを受けたものの再発。ほかに治療法はないと見込まれていたが、医師がまだ研究段階の治療法を提案、家族が受け入れた。

 新たな治療法は、血液中の免疫を担うT細胞を健康なドナーから採取し、薬剤耐性のあるがん細胞を攻撃するよう遺伝子操作を行った上で女児に注入。数週間後に効果が表れた。医師の一人は「初の試みなので、いつ効果が表れるのか分からなかった。奇跡に近い」とコメントしている。

 英メディアによると、まだ経過観察などが必要で完治したとは言えないものの、別の種類のがんにも効果がある可能性があるといい、新たな治療法として注目を集めそうだ。
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