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中年男性 低所得、働き盛り入院増 節約で受診控え悪化 千葉大研究

2015年11月18日 20時09分40秒 | 医療情報
中年男性 低所得、働き盛り入院増 節約で受診控え悪化 千葉大研究

臨床 2015年11月18日 (水)配信毎日新聞社

 働き盛りの中年男性は、低所得者ほど医療機関に入院する割合が高くなるとの研究結果を、千葉大の研究チームが日本公衆衛生学会で発表した。治療費の節約で日ごろの通院を控えた結果、逆に健康を悪化させているとみられ、所得による「健康格差」の一端が浮かび上がった。

 藤田美鈴・千葉大助教(疫学)は「自分の健康状態を顧みず、仕事を頑張りすぎている恐れがある。重症化すれば医療費の負担も大きくなるため、早めの受診を促す必要がある」と指摘する。

 チームは、関東地方のある自治体が管理する2012年4月から1年間の所得と診療報酬明細書(レセプト)のデータ22万8041人分を使用。男女別に年齢を0~15歳▽16~39歳▽40~59歳▽60~74歳――の四つに分け、医療機関での外来、入院割合と所得との関係を分析した。

 その結果、性別に関係なく、全ての年齢層で所得が低くなると外来での受診割合が低下した。一方、40~59歳の中年男性は、低所得ほど入院する割合が上昇。401万円以上の所得があると3・9%だった入院割合が、無所得だと5・6%にまで増えた。

 性別の比較では、男性は外来での受診割合が女性に比べて軒並み低くなる一方で、60~74歳の高齢者になると入院割合が所得に応じて2・7~5・2%も女性より高かった。

 健康に関心が低い人は、高齢になって病気で入院する可能性が高くなるとみられ、藤田助教は「男性の方が女性より健康への関心が低いことの表れではないか」と話す。【河内敏康】
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