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問われる説明責任 消費増税再延期

2016年05月29日 17時10分49秒 | 行政
問われる説明責任 消費増税再延期
2016年5月27日 (金)配信共同通信社

 【解説】議論を重ねた末に与野党が合意し法律に定めた消費税率10%への引き上げを、安倍晋三首相が再び延期する道を選んだ。国内外の景気が停滞していることは確かだが、首相が伊勢志摩サミットで訴えた「リーマン・ショック前に似た状況」とは程遠いとの見方が専門家の間では強い。大衆迎合や選挙を意識した安易な先送りなら許されず、首相は説明責任を厳しく問われている。

 消費税の扱いは、景気への影響にとどまらず、社会保障や国の財政、将来世代も含めた国民負担の在り方といった幅広い観点から論じられるべきテーマだ。増税で得た財源は社会保障の安定や拡充に充てる計画だった。延期のしわ寄せは社会保障の対象となる高齢者や子育て世帯に真っ先に及ぶ可能性がある。

 既に深刻な状況にある国の財政の再建はさらに遠のくことになる。前回延期時に「再び延期することはない」と約束した首相が前言を翻したことで増税実施への本気度を疑われ、日本国債の格下げを含め市場の信認低下を招く事態も予想される。

 熊本地震の被災地はなお厳しい状況に置かれており、消費低迷が続く家計にとって増税先送りの恩恵は大きい。ただ、増税を予定通りに実施できる経済環境を整えられなかった安倍政権の責任は重い。「アベノミクス」の限界を露呈したとも言え、政権への批判や経済政策の見直しを求める声が強まるのは必至だ。
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「長いお別れ」が第5回日本医療小説大賞を受賞

2016年05月29日 17時02分25秒 | 
「長いお別れ」が第5回日本医療小説大賞を受賞
2016年5月27日 (金)配信高橋直純(m3.com編集部)

 日本医師会が主催している「日本医療小説大賞」の第5回授賞式が5月26日に行われ、介護体験を描く小説『長いお別れ』で大賞を受賞した中島京子氏に、表彰状と副賞100万円が贈呈された。

 『長いお別れ』は認知症の父と母娘の10年間をユーモラスな筆致で描いた小説で、認知症を患っていた実父を亡くした中島氏の体験が織り込まれている。中島氏は「医療小説大賞にノミネートされてびっくりしたが、高齢者の医療と介護は現代を生きる私たち全てに切実で、等閑視し得ないことを認識することが重要だと思っている。この小説は父を介護している間に書き、私個人の体験と記憶に深く依拠している。認知症を患った父を介護した期間の中でお世話になった医療機関や介護職の方には感謝しかない。読者の皆様が自分の家族の物語として読んでくれている。この小説が日々、認知症患者と向き合っている方々に気付きやちょっとした笑いを提供できたらと思う」とスピーチした。


前列中央が中島氏

 審査員の一人、小説家の篠田節子氏は、「(小説内の登場人物のスタンスに)温度差があり、現実的には笑いごとではないが、温度差があることで小説では作品内に風が吹き、物語を上品な形でけん引している。小説本来の味わいがある」として、小説として優れていると紹介。一方で、審査の過程では本作品が「医療」小説かどうかが問題になったと明かした。「候補に挙げてきた医師会に聞いたところ、『高齢化社会を迎えた今、医療でもCureからCareの転換の必要性が認識されている。医師中心の治療から、看護・介護・福祉を含めてのアプローチが必要で、最先端を行く医療小説として読める』と言われたので受賞に決まった」と説明した。

 日本医師会の横倉義武会長は「認知症に暗いイメージをお持ちの方が多いが、この本を読んで明るい認知症患者のいる家庭を作ることで、日本全体も明るくなればと期待する」と話した。

 日本医療小説大賞は「国民の医療や医療制度に対する興味を喚起する小説を顕彰することで、医療関係者と国民とのより良い信頼関係の構築を図り、日本の医療に対する国民の理解と共感を得ること及び、わが国の活字文化の推進に寄与すること」を目的に、2012年に創設。第1回は、帚木蓬生氏の『蝿の帝国――軍医たちの黙示録』、第2回は該当作なし、第3回は、久坂部羊氏の『悪医』、第4回は上橋菜穂子氏の『鹿の王』が受賞している。第5回目の審査員は、養老孟司、篠田節子、久間十義の3氏。
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